リプニツカヤ<どう生きるべきか理解しようとするのをやめた(2)>
― この数か月、あなたはたった一つの質問に対して、自分で自分に答えを出さなくてはいけなかったのではありませんか。
スケートを続けたいかどうかですか?はい、続けたいです。自分の何かが低下してしまうことがあるのは確かだし、すべてうまく行くときも、逆に何もかも思いどおりに行かないこともあります。でも、それはどんなスポーツ選手にも起こるし、ごく普通のこと。大切なのは、自分がいったい何を達成したいのか理解していて、それが達成可能だとすでに理解できたということです。
― ウルマノフコーチとの仕事は面白いですか。
とても。なにか際限なくバラエティに富んでいて。もし何かが突然うまく行かなくなると、別の課題が800ぐらい提示されて、それが誤差を修正する手助けをしてくれるんです。アレクセイ・エヴゲーニエヴィチ自身が元シングルスケーターで、すべてのエレメンツのメカニズムを素晴らしく理解していて、最高難度のものを簡単に成功させるにはどうすればいいか知っているのでしょうね。
― あなたとコーチは、新シーズンのプログラムについての考えをすでに持っていますか。
はい。でも、あらましだけ。目下の計画は筋トレです。練習に耐えられる筋肉をつけること。コーチが出かけている間にやるつもりです。アレクセイ・エヴゲーニエヴィチはデニス・ワシリエフスと世界選手権に向けて準備をしていて、彼を連れてアメリカへ行くことになりますから。私は上半身だけじゃなく足の筋肉も弱いので。
― それでも、あなたのジャンプは目に見えて力強くなりました。
はい、ジャンプが高くなりました。でもそれは、むしろテクニックを修正したことによるものです。ちなみに、片手上げジャンプを始めたことが助けになったんですよ。それまで私は、踏み切った後に飛び出していて、まるで踏み切りを怖がっているかのようでした。空中で強く押さえつけられていて。だからコンビネーションジャンプのセカンドトゥループも跳べなくなったんだと思います。手を上げることは、身体が傾くことなく最後まで回転する手助けになるんです。でも、こんなふうにジャンプを跳び始めたのは偶然とも言えます。ダブルジャンプをやっていて、次にトリプルフリップをやるようになって、ふいに、とても軽く跳べたんです。思いがけないことでした。
― 女子シングルでいま何が起きているか見ていますか。
見ようとしています。
― 小さな女の子たちがどんどん出てきて、彼女たちとどうやって戦えばいいのか分からないことすらある、そんな滑りを見せていますね。怖くありませんか。
大切なのは、自分が何をどうするべきか自分でわかっていること。いま女子シングルの状況は、言うまでもなく、目に見えて変化しています。以前は年長の選手の方がはるかに高い構成点をもらえて、難度の不足を十分に補うことができました。今はジュニアの選手が最初からかなり高いセカンドマークをもらい始めています。したがって、彼女たちと戦うこともより困難になるでしょう。でも、アレクセイ・エヴゲーニエヴィチがおっしゃるように、自分のやるべきことをやるだけ。時間がすべてを明らかにしてくれるでしょう。ほら、私はこうやって自分のするべきことをしています。ジャンプやスケートの表現力を改善して、新しいポジションの新しいスピンを練習しています。こういうありとあらゆることを、私たちはオフシーズンにソチで根気よく練習する予定です。もしかすると秋になる頃、環境を変えるためにどこかへ合宿に行くかもしれないけれど、練習に必要なものは全部私たちのリンクにもあります。どこかへ行って時間を失いたくないとさえ思います。今は自分にはたっぷり時間があるようでも、実際はないんです。
(つづく)
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