トゥクタミシェワ<競技の外ではただのリーザ・トゥクチク(上)>
2回に分けてUPする予定です。
2019年12月29日
アナトーリー・サモフヴァロフ
アンドレイ・シモネンコ
<原文>
https://rsport.ria.ru/20191229/1562992273.html
ロシアフィギュアスケート選手権で4位に入ったエリザヴェータ・トゥクタミシェワが記者たちのもとへやって来たのは、新エキシビションナンバー「Destination Calabria」を演じた直後だった。まずこのテーマからインタビューが始まった。
― エキシビションナンバーのアイデアはどこからきたのですか。
私のアイデアで、大好きな歌のひとつなんです。ビデオクリップがお気に入りで、(コーチの)アレクセイ・ニコラエヴィチ(・ミーシン)と、(振付師の)タチヤナ・ニコラエヴナ(・プロコフィエワ)に提案したら、賛同してくれて。こうして今回のエキシビションが誕生しました。
― アレクセイ・ニコラエヴィチが現役時代、タマーラ・ニコラエヴナ・モスクヴィナと一緒に軽騎兵隊の衣装で演技をしたプログラムがありました。
はい、写真で見ました。
― このナンバーを作ったとき、コーチは思い出話をしましたか。
いいえ、何も。
―試合が終わって少し時間がたちましたが、いま振り返ってみてどうですか。3位になれた可能性もあったわけですが。
まず第一に、とにかく自分のポジションと、ロシア選手権を無事終えたことをうれしく思います。フリープログラムに4回転ジャンプを入れるというリスクを取りましたが、これは、アレクセイ・ニコラエヴィチの言葉を借りれば、私にとって“勝利的敗北”でした。大きく一歩前進したし、この試合から大きな学びを得ました。何も悔いはないし、ミスをしたことも、理想的な演技ができなかったことも、順位表を変えられたかもしれないことも残念には思っていません。結果が出た今、心地よい気分でいます。4回転を入れたプログラムを滑り込んで、さらに何か習得して、成長し続けなくては。4回転を跳べるようになって2週間で入れるのはとても大変でした。準備がまだ十分ではなかったのでしょう。でも、このジャンプは必要だし、入れるのに良い機会だとわかっていました。
― さらに何か習得しなくてはとおっしゃいましたね。もしかすると、まずは4回転トウループをきちんとものにしなくてはいけないのでは。
当然、私たちはそれをトリプルアクセルと同じように自信を持ってできる状態まで磨いていきます。昨シーズンそういうトレーニングを積んで、今シーズンはフリーにアクセルを2本入れられるようになりました。でも、4回転トウループを跳べるなら4回転サルコウも習得できる、というセオリーがあります。本当のところ、あまり信じていないのですが、でもトライしてみるつもりです。空中で4回まわる感覚をつかんでいるなら、さらに別の4回転にトライするのは怖くないでしょう。私はこの境界線を越えたので、今度はそれを生かすことができます。でも今は、4回転トウループを安定させなくてはいけませんね。
― 4回転トウループを初めて降りた瞬間はどんな感じでしたか。
すごくクールで、鳥肌が立ちました。自分にとってどれほどの一歩か、わかりましたから。ほとんど23歳で4回転トウループというのは、私にとってすごく意味のあることでした。感覚がわかるまでは、自分にできるとは最後まで思っていませんでした。私はそれほど勘がいいわけではありません。女の勘はあるけれど、天賦の勘はなくて。アクセルの練習も同じでした。でも、これはできるとわかったんです。わかるとすぐその日にできるようになりました。私は、たぶん、今回の演技があまり良くなかったことにそれほどがっかりしていません。今シーズンはすごく成長できていますから。
― 「初めての4回転」記念日に何かお祝いしたり、日記に印をつけたりなどしましたか。
そういうセンチメンタルさはありません。ただ「すごい、よくやった」と思いました。それだけです。それ以上のことは何もありませんでした。
― もし最終滑走者だったとして、自分より上位につけていた選手全員がクリーンな演技とはいかなかったと知っていたら、プログラムの難度を落としていた可能性はありますか。
いいえ、6分間練習で自分の状況はわかっていたし、ロシア選手権での自分の目標を知っていましたから。私は4回転を跳びたかった。もしこのジャンプの感覚がないとわかっていたら、プログラムには入れなかったと思います。でも私は練習で跳べていました。それに、ストレスのかかる状況で4回転ジャンプをまとめられるよう、経験が必要でした。だから戦略は変えず、そのまま賭けに出ただろうと思います。
― 今後の試合の予定は。
まだ話し合いをしていませんが、たぶん、これがシーズン最後の試合になると思います。
― まだ国際大会も、ロシア杯ファイナルもありますが。
どうなるでしょう。まだその話はしていません。
(つづく)
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