(トランコフ、プログラムを語る2)
2015年7月12日
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アデルの『007 スカイフォール』。これはとても単純。アデルは当時スケーターたちの間で超人気で、エキシビションではひと晩で3回も演じられる可能性があったほど。僕らもみんなと同じように彼女のシングルを自分たちのナンバーにしたいと熱望したわけだけど、みんなそれを一番乗りでつかむ時間がなかった。
そして夏、ニュージャージーでイーゴリ・シュピルバンドとナンバーをつくるチャンスが巡って来た。彼はものすごく多忙で、僕らは彼の手が空くのを1週間ほど待った。そしてその最終日、僕らはリンクへ向かいながらもう絶望的な気分になっていたのだけれど、イーゴリは準備万端でやって来て、約3~4時間でナンバーのコンセプトと振り付けを考案した。歌のアレンジと効果、構成でも助けてくれた。
ターニャは悲運の女性として姿を現した。だってボンドの美女たちには悲劇が用意されているのだから。恋に落ちて、非業の死を遂げるという悲劇が。
さて、僕の方は、ボンドだ。ジェイムス・ボンドだ。イーゴリはすべてをじっくり考えた。バーのマルティーニと、銃撃戦と、銃口の先に立つ美女は外せないという僕の注文も…そして激情…それは僕たちにとって演技する必要のないもの♡
2015年7月13日
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クリント・マンセルの『ブラック・スワン』オリジナル・サウンドトラック。おそらく僕の愛するプログラムで、そして2011-12という最も厳しいシーズン。怪我に追いまわされた。
このアイデアは、映画が公開されたそのときから半年ほどあたためていた。N.モロゾフがすぐにプログラムづくりを引き受けてくれた。A.V.カプラノワと一緒に振付に費やした時間は、ペア競技の新記録だと思う。
それと引き換えに、はるか高みのアリョーナとロビンにどれだけ近づけただろうか!? グランプリ・ファイナルでは0.18点差、ニースの世界選手権ではショートで失敗し、8位からの巻き返しでの0.11点差? でも、これはもう全く別のストーリーだ…
2015年7月14日
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アラム・ハチャトゥリアンのワルツ『仮面舞踏会』。このプログラムについてさらに何か語る必要があるだろうか?おそらく、このバーよりは下がらないようにすることを約束できるだけだ。僕らはそれぞれのプログラムで皆さんにストーリーを語っていく。たとえ技術点のダメージにつながっても。
「プログラム・コンポーネンツで30個の“10.00”」というのは僕らのことだけれど、それは楽しい過去。この先には新たなイメージと新たな役柄があり、そして新たな自己新記録があればと願っている。でも、そのためにはトレーニングする必要がある。そういうわけで、僕は行く。ワルツのテンポで…
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