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ヤグディン<バカ騒ぎを起こしているのは不健康な人間(1)>

サンクトペテルブルクのインターネット新聞『フォンタンカ』に掲載されたヤグディンのロングインタビュー。埼玉では、通路側席に座っていた私の横を何度も通過してくださいました! 全文訳せるように頑張ります。



2019年4月4日
アルチョム・クジミン


アレクセイ・ヤグディン

フィギュアスケートをめぐるあらゆるバカ騒ぎを起こしているのは不健康な人々。ちなみに僕はメドベージェワとザギトワの演技に泣いた。



 エフゲニア・メドベージェワの悲劇について、アリーナ・ザギトワの未来について、エフゲニー・プルシェンコと、そしてペテルブルクとの関係について、五輪チャンピオンのアレクセイ・ヤグディンが『フォンタンカ』に語った。


 アレクセイ・ヤグディンはペテルブルクに生まれ育った。オリンピック優勝を果たしたのは、アメリカのタチヤナ・タラソワのもとへ移った後のことだ。現在、彼はモスクワに住み、テレビの仕事をし、様々なアイスショーに出演している。先月の世界選手権ではタラソワとペアを組み第1チャンネルの解説者を務めるかたわら、ニュースフィード用の付加コンテンツの作成も行った。先日、アレクセイは「ユビレイニー」で行われたアイスショー『少年とカールソン』に出演し、短い間ペテルブルクに帰郷。我々はこの機会に彼をつかまえた。まさに緑色のズボンをはいて、背中にプロペラをつけた彼を。


画像

(画像:https://freetime.ru/v-otvete-za-novogodnee-chudo/fi2/


《男子は5回転を跳ぶようになる》


 ― 世界選手権の結果をどう評価しますか? 女子の成功と、男子の失敗を。

 全体として我々にとって非常に良い世界選手権でした。あれだけのメダルを取ったんです! 長いあいだ待ちに待っていたアイスダンスでも。女子は本当に勝利です。

 ペアは金メダルをつかめたかもしれないけれど、中国が天才的でしたから。ロシアの選手はよくやりました。それにもう1組、モスクヴィナコーチのペアも迫ってきています(編集注:アレクサンドラ・ボイコワ/ドミトリー・コズロフスキー組が世界選手権で6位に入った)。でも二人はスタートを切ったばかりで時間が必要。みんなが彼らを見て覚えるための、そして彼らが最高レベルであることをもう一度証明するための時間が。

 男子は…そうですね、もし失敗だと考えるなら、3枠を守ることができず、来年は2人しか行けないということですね。ここで「なぜお前はいつもコリャダを批判するんだ?」と言われるわけです。僕は批判しているんじゃありません。いつもすごく悔しいだけ。だってコリャダはすべてを持っていますから。このことはインタビューでいつも言っています。ある者にはジャンプが、ある者にはスケーティングスタイルがあるけれど、彼は「オールインクルーシブ」ホテルのように全部そろっています。全部あるんです。いったい何が足りないのか分からないぐらい。彼は競争することができないのかな。
 その一方で、世界選手権の後にちょっと座って「結局、これがロシア男子シングルの今のレベルじゃないか」とも考えました。それ以上のものはないと。

 ― なんだかあまりに低いレベルですね、特にこれまでの伝統を思うと。

 プルシェンコ、ヤグディン、クーリックがいた時代を思い出してみましょう。僕たちはオリンピックから次のオリンピックへと次々に優勝しました。では、女子はどうだったか? 誰もいませんでした。それが今度は女子にすべてがあり、男子にはまだ何もありません。単純にこれが人生というものでしょう。株式相場のようにアップダウンを繰り返すんです。待つ必要があるだけでしょう。
 僕は男子選手たちに冗談で「女子のところでマスタークラスを受けろよ」と言ったことがあります。たぶんコリャダには、もう少し厳しく接する人のいるところへ行かせる必要があります。もちろん僕はコーチではないので、アドバイスするというのは正しくない。でも、外部オブザーバーであり、一人前のスケーターとはどういうものかを知っています。ロシアの全男子でこれに当てはまるのはコリャダです。ええ、例えばサマリンがいますね。彼のことはとても好きです。コリャダのようにコレオグラフィックではありませんが、でも、最後まで戦います。

 ― 昔と比較するのはまったく正しいというわけではない気がします。やはりあなたの時代の男子には2つの強力な流派がありましたから。モスクワとペテルブルクに。ちなみに女子は、今はモスクワのエテリ・トゥトベリーゼだけですね。

 何を隠そう、エテリが世界選手権の勝利者です。彼女が大会の主たる勝者です。といっても、コーチがいるかどうかは重要ではありません。我々は結果を評価しますから。それに、エテリのグループには男の子もいます。現実的に4回転ジャンプを跳ぶ若いジュニア選手が。ミーシンのグループにはラズキンがいますね。でも、世界選手権でトップ3に入った選手たちに比べるとレベルが違います。

 ― トゥトベリーゼのどこに秘密があるのでしょうか?

 厳格さと規律。それに、彼女の指導システムがあるように思います。他のコーチにはそれがないから、というわけじゃありません。でも、コリャダを指導するチェボタリョワコーチが、彼を怒鳴りつけるような厳しい会話をしているとは到底思えない。それで彼はうまく行かないのかもしれません。冷酷さを要求するわけじゃありませんよ、それは正しくないですから。でも、厳格さはあるべき。男子ですからね。

 ― ミーシンとタラソワに怒鳴られましたか?

 ミーシンは怒鳴りませんでしたが、タチヤナ・アナトリエヴナは厳しい教育者です。厳格さとシステムを持っています。彼女は選手を生きがいにし、勝利のために何でもやりました。ミーシンはより教授であり、より技術的です。
 女子について言うなら、サモドゥロワは僕にとって今年いちばんの発見です。この先どうなっていくかはわからないけれど、この選手はエレメントを1つもダメにすることがなかった。そんな人にはこれまで一度もお目にかかったことがありません。世界選手権では3連続ジャンプにミスが出ましたが、これは3回転ジャンプをダメにするのとはまったく別のこと。ソフィアは僕にとってセンセーションです。大会後、彼女は自分の得点が低いことについて「リョーシャ、なぜこうなるの?」と質問してきました。僕は次のように答えました。「待てばいい。ヨーロッパ選手権ではロシアの選手がいつも表彰台に上がる。でも、世界選手権はまったくの別物。今回、君はシニアデビューのシーズンだった。みんなが慣れて、君が安定していることを見れば、信用されるようになる」。

 メドベージェワも奇跡を起こしました。彼女にはこんなことはできないという意味じゃないですよ。でも、これほど難しいシーズンを過ごしてきて、実際にチャンピオンの意地を示したんです。だてに女子シングル界を2年間引っ張ってきたわけじゃありません。彼女はとにかく美しいです。

 ザギトワもよくやりました。彼女も今シーズン、演技をクリーンにまとめた大会がありませんでした。どの試合にも何らかのエラーがあったけれど、世界選手権ではこれ以上良くはならないという演技をしました。ジェーニカの演技にも、アリーナの演技にも、僕は本当に泣きました。このレベルを保つことがどれほど難しいか知っていますから。

 男子の演技にも泣きました。ユヅルがどんな怪我をしていたか知っていたし、それにもちろん、チェンの演技にも。チェンの演技を生で見ると、ジャンプを跳べるということは理解できても、どうやって跳んでいるかは理解できないですよ。

 ― あなたですらわからないならば…

 わかりますよ、もちろん。僕はかつて4回転ループ、フリップ、サルコウ、トゥループと、ルッツ以外はぜんぶ跳んでいましたから。実際にすべてやっていましたが、それをあんな風にまとめ切って、ハニュウへのぬいぐるみが15分がかりで片付けられた後に演技するなんて…タラソワの言うとおり、ひたむきで誠実な滑りでした。あれを見られてとてもうれしいです。とにかく忘れられません。

 ― サモドゥロワの得点は本当にひどく気にさわるものだったのですね。

 わかってください。彼女はシニア初のシーズン。外国人はたいてい「あれは誰?」と言う。仮に2シーズン目だったとしてもね。グランプリシリーズではほとんど誰も彼女のことを知らなかった。それに、あの日本の女子選手たち。タラソワが僕に言っていたとおりなんです。「リョーシャ、練習しなくては。負けるということは、練習が足りないということよ」。


 (つづく)




<原文>
https://www.fontanka.ru/2019/04/04/030/
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