トゥクタミシェワ<トリプルアクセルを取り戻したい>
2014年11月8日
タチヤナ・フレイド
(前文略)
― リーザ、グランプリ大会で優勝を果たした今、どんな感覚を味わっていますか?
不慣れな感覚です。忘れていたとも言えますね。
― でも、シーズン初の勝利ではありませんよね。
でも、グランプリではなかったので。ここで起こったことにまだ納得し切ってはいません。でも、自分をコントロールできたこと、グランプリで優勝してファイナルへ行けることが嬉しいです。
― オーベルストドルフでは、グランプリ・ファイナルの6人に入るのはとても難しいと言っていましたね。
残念なことに、ユーリャ・リプニツカヤがここではフリープログラムをあまりうまく滑れなくて、そのことがファイナルに入るという私の任務をいくらか軽くしてくれました。私もフリープログラムで少しミスがありました。リンクへ出る前はそれほど緊張していなかったのに。ショートの前日の方が苦しかったです。
でも、どうやら最初のコンビネーションで安心してしまって、トリプルルッツでミスしたみたいです。少し動揺したあとは集中しやすくなって、プログラムを最後まで滑り切りました。それでも少し恐怖感はありましたけど。滑りながら自分がちょっとだけ予防線を張っているのがよくわかりました。
― にもかかわらず、あなたは自分の滑りで観客に火をつけましたね。
努力していたんです。難しい技がすべて終わって、まだそれほど疲れていなかったので、観客の皆さんに火をつけようと努力しました。この試合を最後までやり終えて、自分の中から最大限のものを絞り出さなくてはと思ったんです。
― でも、観客はプログラムの最初から拍手で応援し始めましたね。
ええ。フィンランディアの試合もそうでした。ディッ、ディッという最初のメロディーが現れると(※冒頭コンビネーションジャンプの後、細かく刻むリズムが入ってくる部分だと思います)、みんな一斉に手拍子を始めたんです。ここ中国でもまったく同じようになって。記者会見では特に観客について言及して、賛辞を送らせていただきました。全体として上海では気持ちよく演技できました。
― 演技の中でいちばんの山場はどこでしたか?
ステップに入るときでした。こう、曲がりくねって…私は自分のステップが大好きで、プログラムのラストの部分が大好きなんです。
でも今回いちばん気持ちのいい場面になったのは、サルコウの跳び方が悪くて、着地のときにアクセルを付けるかどうか考えたとき。結局アクセルを跳んだら、ちょっぴりプラスまでもらえました。
そう、そのときはすべてのエレメンツを失敗せずやれたことで、本当に自分に満足していました。でも、一つひとつエレメンツの前には、ダメにしないにはどうすればいいかと考えてしまいました。こういうためらいは混乱のもとになるんです。
― 考えても考えなくても、3回転-3回転のコンビネーションは跳びましたね。
3-3はアメリカでも出来たと思いますが、あのときは単純に少し恐がってしまって。今回はこう決めたんです。最初のジャンプがうまく行くかは重要じゃない。大切なのは、回ることと自信を持って行くことだって。全体として「回れ、そして、耐えろ」というふうに自分を持って行きました。
― あなたにとってこの勝利にはどんな意味がありますか?
たぶん、リーザ・トゥクタミシェワが昔の自分のリズムに戻ったということ。それぞれの選手にとって成功は重要です。私も例外ではありません。勝利は自信をもたらしてくれます。
それぞれの試合は、それがどんな試合でもあっても、経験を与えてくれます。この試合が私に教えてくれたのは、どんな状況でも最後まで戦うこと、耐えて、回って、出来るか出来ないかを考えないで、行って、やること。まさに今回の試合でこの言葉の意味を本当に理解できました。私たちはこういうフレーズをしょっちゅうコーチたちから聞かされていますが、聞くことはできても、理解できないんです。
― グランプリ・ファイナルまで試合がありませんね。プログラムに変更を加えるつもりはありませんか?
今あるものが私をとても落ち着かせてくれているので、何も変えたくありません。でも、コーチたちが何と言うか様子を見てみましょう。すべてはコーチ次第です。もしコーチたちの頭になにか賢明な考えが浮かんだら、よく考えて決めることになるでしょう。私は賛成するだけです。
でも、基本的に両プログラムとも、技術面でも芸術面でも悪くないように思えます。もしかすると、トリプルルッツ-トリプルトゥループのコンビネーションを試すかもしれません。トレーニングでは跳んでいますから。ここでも跳びました。
― トリプルアクセルを取り戻す考えはありませんか?
トリプルアクセルを取り戻すことは、すごく試してみたいと思っています。今ちょうど言おうとしてたんですよ、私たちがこのジャンプに着手するかもしれないって。ハーネスを使ってやっているんです。でもこれは、とても大きな力ととても大きな勇気が要求されるジャンプ。子どもの頃は何も恐いものはなくて、ただ跳んで、それで終わりでした。ただ、大きくなるにつれて何事にもより深く考えて取り組むようになるものですよね。でも、いずれにしても、正常なコンディションでトリプルアクセルを跳ぶことは、私の力の範囲です。ひょっとしたら今シーズン、私の演技中にこのジャンプを目撃するかもしれませんね。でも、繰り返しますが、ひょっとしたらです。先のことは何も保証しません。
<原文>
http://fsrussia.ru/intervyu/445-liza-tuktamysheva-khochetsya-vosstanovit-trojnoj-aksel.html
<自習メモ>
укладываться/уложиться в голове 納得できる、腑に落ちる
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