プルシェンコ<僕は現役選手のまま>
2014年10月17日
マリア・スタロヴェロワ
僕は現役選手のまま
今日、10月17日、連盟の施設「ノヴォゴルスク」で、二度の五輪王者エフゲーニー・プルシェンコのユニークなアイスショー、『雪の王』の公開リハーサルが行われた。エフゲーニー・プルシェンコがTEAM RUSSIA-2014のマリア・スタロヴェロワ特派員に、ショーのこと、また今後の予定について語った。
このプロジェクトはもうずっと前に生まれていました。ただ、どうしても実現させることができなくて。僕はいつも競技の世界にいましたからね。でも、いま数シーズンスキップしているので、世界中にこういう贈り物をすることにしたんです。
この『雪の王』というおとぎ話ショーは、アンデルセンの『雪の女王』がモチーフになっています。僕たちはこのおとぎ話を少し作り変えて、トリックをいっぱい付け加えました。氷の上で魔法が起きるんです。ショーには、ヨーロッパ最高峰と認められているロシアの有名なイリュージョニスト、サフロノフ兄弟が参加します。テレポーテーションがあって、僕は氷の上に現れたり消えたりします。デコレーションがたくさん用意されていて、複数の大きなモニターが設置されます。カイ役はジョニー・ウィアー、ゲルダはイリーナ・スルツカヤ。2幕で1時間半の予定。予算は巨額で、僕がショーや競技で稼いだ個人的なお金を出しています。子どもにとっても、大人にとっても面白いものになると思います。
おとぎ話の舞台やショーをたくさん見てきましたが、中には子どもがまったく興味を示さないものもありました。僕のはファミリーのショーです。重点はダンスと良質のスケート。イーラ・スルツカヤ、トマシュ・ヴェルネル、ジョニー・ウィアー、ブライアン・ジュベール等のメンバーが、フィギュアスケートの最高難度のエレメンツを行います。それにプラス、サーカスの技が駆使された空中飛行があります。
僕は何か大規模なものをやりたくなったんです。世界中に見せても恥ずかしくないような。プレミアは12月5日、モスクワで行われます。その後、世界中へ飛び立ちます。でもいちばん重要なのは、ロシア各地を訪れること。このプロジェクトを全国にお見せしますよ。
― フィギュアスケーター兼演出家として出演するのですか?
プロジェクトには220人が関わり、180の衣装がつくられ、途方もない3Dデコレーションが施されます。メインの演出家は、僕がもう20年間一緒に仕事をしている振付師のダヴィド・アヴディシュです。演出助手は元フィギュアスケート選手のニキータ・ミハイロフ。僕は自分の仲間を決して忘れません。彼ら以外にも何人かの振付師が陸上練習で働いてくれています。
僕はフィギュアスケーターで、僕の目的は良いスケートをお見せすることです。トリプルアクセルや色んなコンビネーションジャンプを跳びます。どんなおとぎ話の舞台でも、こんなのはまだ見たことがありません。子どもたちがもっとリンクへ出て行くように、フィギュアスケートの人気を高めることが任務です。
当然、僕はショーの演出家(作り手)のひとりではありますが、それがどこかに記載されることはありません。これは僕にとって初めての経験です。こんなに大勢のプロの選手たちと仕事をしたことは一度もありませんでした。幸運にも、このメンバーはまるでひとつの大きなファミリーのようです。振り付けに入る前、僕は全員にこう言いました。「みんな、僕たちはこれを一緒になってやるべきだ。これは僕だけのプロジェクトじゃなく、一緒になって全員のためにやるべきだ」とね。僕たちはとてもうまく行って、みんなに楽しんでもらえると確信しています。
まさに今回のショーで、カタリナ・ゲルボルトとブライアン・ジュベールがペアの演技を初披露します。二人は何もかもとてもうまく出来ていて、すでにスロージャンプや良いリフトをやっています。ええ、ブライアンは今ここにいません。彼はフランスで『フロアダンス』というショーに出演しているんです。でも、明日にはもう僕たちに合流しますよ。将来的にはマオ・アサダ、カロリーナ・コストナー、ステファン・ランビエルのような選手たちを引き入れたいですね。僕たちはそれに向けて進み、動きます。
― 今日、下の息子のサーシャくんを氷上へ連れ出しましたね。フィギュアスケーターになって欲しいですか?
息子は今日はじめてリンクへ出たんです!僕を驚かせ、唖然とさせてくれました。何も怖がらないんですよ。歩いて、足踏みして、氷の上を走り始めた。その様子を観察するのがとても面白かったです。
専門的なスケートについては、フィギュアスケートという競技種目を息子に選び与えることはきっと無いでしょう。僕はこの種目のことをよく知り過ぎています。少し違う人生、違うスポーツをサーシャとともに経験できれば。どんな人生かはまだ分かりません。でも、息子は競技者であるべきだと思います。本当にどんなスポーツでもうまく行くと確信していますが、息子にはサッカー、ホッケー、テニス、ゴルフを検討しています。でも、それと並行してサーシャはスケートをするでしょうし、僕は彼にエレメンツを教えます。ただ、プロのフィギュアスケーターは、ないですね。もし彼自身がなりたがったらって?なりたくなくなりますよ!
― 今シーズン、他にはどんな予定が?
とてもたくさんあります。でも全部(※試合ではなく)エキシビションです。日本でのショーが50回ばかり。中国、韓国、ヨーロッパでのショーの契約書にもサインしています。そして『雪の王』を引っさげて世界中へ行きます。いっぱいいっぱい詰め込むことになります。いちばん濃密なシーズンですね。そのうえ、今回のようなプロジェクトはこれまで一度もやったことがありません。ここに全身全霊を捧げています。僕たちは朝から晩まで氷の上に立って、あらゆることを覚え込んで、磨きをかけているんです。
さらにもうひとつ、僕がいま取り組んでいる重要な方針があります。プルシェンコの名前の学校です。でも、単に自分の名前をつけるだけではなく、そこで仕事をしたいし、自分の仕事仲間を連れて行きたい。外国人選手のコーチをしないかというオファーはたくさんありますが、ロシアから出たくないという大きな願いがあります。自分の経験と愛国心でフィギュアスケートを発展させ、前進させる必要があるのではないでしょうか。それどころか、スケートリンクを無数につくる必要があるのでは。この先、ロシアの選手たちを世界レベルにする準備ができていますよ。
― でも、もう一度オリンピックに出るという夢は捨てていませんよね?
2ヵ月前に中国のショーに出て4回転トゥループを跳びました。これを2カ月前にやったとなれば、2年間で一体どれだけのことができるが想像してみてください!僕はものすごい数のショーで、最高難度のエレメンツを入れて滑っています。それと並行して毎日トレーニングしています。腰はいま何の問題もなくて、すっかり良くなりました。僕は現役選手のままです。
<原文>
http://www.team-russia2014.ru/article/figur/18035.html
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