ズーリン<ティーンエージャーではなく女性のフィギュアスケートを見たい>
今回、ロシア選手権の女子の表彰台をジュニア選手が独占したことから、年齢制限議論が盛んになっているようです。16歳に引き上げ説、同じく17歳説、18歳説、現状でOK説、議論は無駄説などいろいろ。難しい問題ですね……。
2018年12月27日
ヴィクトリア・コヴァリチュク
(一部抜粋)
― アレクサンドル・ズーリンが選ぶ最高のフィギュアスケーターは?
男子は言うまでもなくユヅル・ハニュウ。ペアはイリーナ・ロドニナ/アレクサンドル・ザイツェフ組。ダンスはジェーン・トービル/クリストファー・ディーン組で、女子は選ぶのが難しいですが…カタリナ・ビットかな。
もちろん、ザギトワとメドベージェワの名前を挙げることはできますが、いまお話しているのは女子のことであって、ジュニアのことじゃない。ザギトワとメドベージェワはまだ若いお嬢さんです。
― そういう若い選手たちが女子シングルのプリマになる風潮を好ましく思いますか?
私はまったく好感を持てません。確かに、いまアレクサンドラ・トゥルソワ(編集注:2004年生まれのロシアの女子シングル選手)が3種類の4回転ジャンプを跳んでいます。しかし、2~3年たって、体形が変化しはじめたら、彼女はどうやって勝つのでしょうか? 今のようなレベルを保つのは非常に難しいでしょう。
私の考えでは、女子のフィギュアスケート競技は17歳以上の選手によって行われるべきです。その年齢まではジュニアの大会に出場させればいい。
― 年齢制限の導入に賛成する理由は?
私が見て面白いと思うのは、まさに女性のフィギュアスケートです。ティーンエージャーではなく、男性から見て魅力的に成熟した体の部分を持つスケーターたちが競うところです。女子シングル競技に出場すべきはカロリーナ・コストナーや、ケイトリン・オズモンドや、もう少し成長したメドベージェワやザギトワのような選手たちです。そうすれば、本物の女性のフィギュアスケートになるでしょう。
少年のように平らな体をした女の子は、難しいジャンプを跳びます。過去にオリンピックチャンピオンになった選手を思い浮かべてみてください。15歳ばかりですよ。アリーナ・ザギトワに、ユリア・リプニツカヤに、サラ・ヒューズに、タラ・リピンスキー。彼女たちが尊敬に値するのは言うまでもありませんが、この子たちは全員、ちょうどうまく “跳びのく” ことに成功したわけです。もしアリーナ・ザギトワが2年後、体形変化を通りぬけた後にもう一度世界チャンピオンになれるなら、彼女の前で帽子を脱ぎ(敬意を表し)ましょう。
<原文>
https://sport.tut.by/news/figure-skating/620634.html?crnd=92067
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