タラソワ<ロシアのダンスカップルに五輪メダルを獲ってほしい(1)>
2013年8月27日
エレーナ・ヴァイツェホフスカヤ
ソチ五輪でロシアのダンスカップルにメダルを獲ってほしい
目前に迫ったシーズンについて考察する
タラソワはシーズン前の準備を、アメリカで長期合宿を行うことから始めた。そこへエレーナ・ブイアノワの生徒マクシム・コフトゥンを引っ張って行ったのだ。帰国したコフトゥンは、こんなにたくさんの、こんなに大変なトレーニングはそれまで一度もやったことがなかったと認めた。ところが、彼のその言葉を伝えても、タラソワはふんと笑うだけだった。
たくさん、大変というのは、彼の意見でしょう。私の意見では、別のコーチ達がマクシムと取り組むべきだった基礎練習をやったに過ぎません。重要なのは、これを16~7歳ではなく、もっともっと早くやる必要があったということです。まさにこの基礎練習からフィギュアスケートが始まるのですから。
― アメリカで合宿を行うことに決めたのは、そこへマオ・アサダがフリープログラムをつくりに来たからですか?
それだけではありません。シカゴにはジャンナ・フォレがいます。かつては私とアサダの、そして今シーズンはコフトゥンとの基礎練習を大いに助けてくれました。私は彼女を専門家として非常に信頼していますし、レーナ・ヴォドレゾワ(編集注:ブイアノワ)も彼女をよく知っています。これは大事なことなのです。コフトゥンはまず第一にレーナの生徒ですからね。この合宿には非常に満足しています。私たちは練習日を一日も無駄にしませんでした。そしてもうひとつ非常に嬉しく思っているのは、ピョートル・チェルニショフのような演出家に、マクシムとアデリナ・ソトニコワとの仕事に対して興味を持たせることができたことです。簡単なことではありませんでしたが。自分がこれまでずっとやってきた仕事を、他人の手に渡すというのはね。
― でも、何かに従ってそういう決断をされたのですよね?
必要なことに従いました。フィギュアスケートに対する別の見方、私が見つけた音楽に対する別の解釈、別の方向性を得たかったのです。選手をできるだけ創造的に成長させるためには、様々な人の手にかかる機会を持たせなくてはなりません。
― つまり、理論的には、ソトニコワとコフトゥンが行き当たった「手」は、他のどんな演出家のものでも良かったということですか?
いいえ。私とヴォドレゾワはこの問題を非常に入念に考え抜きました。チェルニショフはかつて私の舞台でたくさん滑っていました。もうずっと前から彼のことを見てきて、例えば、イリヤ・アベルブフのアイスショーで、ピョートルがフィギュアスケートに対していかに独創的なアプローチをするかを目にして、とても気に入りました。
私の見解では、チェルニショフは自身の演出家としての潜在能力をまだまったく開花させていません。でも、彼のいくつかの仕事は私を大喜びさせました。今でも残念に思うのは、昨年ペーチャ(※ピョートルの愛称)がユウコ・カワグチ/アレクサンドル・スミルノフ組のためにつくった「キャッツ」のプログラムを、タマーラ・モスクヴィナが却下したことです。
ピョートルがコフトゥンとアデリナ・ソトニコワの振付に取り組んでいる間、私は毎日リンクにいましたが、口を閉じて外側からプロセスを見守るというのは非常に難しかったですね。でも、良い経験だと分かりました。自分が振付に取り組んでいるとき、他の人がどんなふうに仕事をするのか定期的に観察するのは、ものすごく役に立つでしょ。
― コーチとしてプログラムが成功したと分かるのは、どの瞬間ですか?
すぐにはっきり分かります。非常にたくさんの材料が、もう1回目の練習でひとつになるのです。重要なのは、音楽を見つけてスタイルを確定すること。あとはすべて、部品です。
(つづく)
<原文>
http://www.sport-express.ru/velena/reviews/34881/
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