<ソトニコワはとても大人になった(上)>ブイアノワ
2013年6月3日
エレーナ・ヴァイツェホフスカヤ
ソトニコワはとても大人になった
(前文略)
CSKAへ来て秘密の創造ラボの装置に出会えたのは、恐らくこれが初めてだ。ぴたりと閉ざされた扉。二人の人間。そのうち一人はブイアノワ本人。リンクの上にも二人。ジュニアグランプリ優勝者のマクシム・コフトゥンと、ロシアで最も引く手あまたの振付師のひとりであるピョートル・チェルニショフ。CSKAでは、シーズン前における最も重要な章、五輪シーズンのプログラムづくりが進行していた。
― レーナ、数日中にあなたのグループ全員がそれぞれ休暇に出かけますね。トレーニング再開はいつ頃を予定していますか。
6月初旬にはラトビアへ合宿に行きます。もともと6月はアンドラで過ごす計画だったのですが、変更することになりました。私たちが練習に使おうとしていたスケート場のリンクがすべて、シベリアのどこかから来るロシア人旅行者たちに買い占められたことが分かって。彼らは自分の坊やたちに、保養地でスケートをさせる機会を与えることにしたようです。すべてのリンク代を一括で、しかも現金で支払ったのです。それで私たちは断られてしまいました。
― 日本で行われた団体選手権から戻ってきて、あなたとソトニコワはモスクワでトレーニングを続け、コフトゥンはタチヤナ・タラソワとシカゴへ出発しましたが、今回のことと何か関係がありますか。
それは前もって計画していたことです。タラソワはアシスタントのジャンナ・フォレとともに、マオ・アサダにプログラムをつくるのが恒例になっています。それと時を同じくすれば、マクシムが自分の監督のもとでみっちり基礎体力作りとステップの練習ができると考えたのです。彼はシカゴで丸1カ月過ごしました。
― 合宿後のマクシムはあなたの目にどう映りましたか。
コフトゥンは戻って来てすぐにピョートル・チェルニショフと振り付けの練習をしました。このプロセスは1年前と比べてはるかに楽に進行していると言えます。以前とはまったく違うステップの基礎ができたからです。マクシムはシカゴでたくさんステップの練習をしました。1日4時間ずつです。身につけてきたものを今度は新しいプログラムに使おうと、私たちは努力しています。
― チェルニショフとこれまで仕事をしたことはありますか。
いいえ。彼を招くように勧めたのはタラソワです。テレビ番組で一緒に仕事をしたとき、彼の持つ振り付けの潜在能力にとても強い印象を受けたそうです。ピョートルは常に創造的な人物でした。そのスケーティングで他のアイスダンサーたちと一線を画してきました。でも、スケーティングが巧みであることと教える能力があることとは、まったくの別物です
ですから、最初のうちは私自身、チェルニショフがソトニコワに同じものを提案するのを見るのがとても興味深かったです。アデリナが自分自身を完璧に心地よいと感じるスタイルを、彼が非常に本質的に見つけ出すので、私は感激させられました。自分の生徒が技術的にどれほど多くのことができるかに、私が思い至らなかったことは言うまでもありません。チェルニショフが彼女に何かを提案しようとしたとき、私の最初の反応は「できない」でした。ところが、彼女は突然すべてできるようになったのです。でも実を言うと、私がもっと感激させられたのはタラソワの反応でした。
(つづく)
<原文>
http://winter.sport-express.ru/figureskating/reviews/32030/
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