<フィギュアスケートは私の仕事(上)>アデリナ・ソトニコワ
2013年4月23日
オリガ・エルモリナ
フィギュアスケートは夢中になる対象ではなく私の仕事。
私はそれをきちんとやらなければいけない。
カメラとバッグをいっぱいぶらさげた中年の男性。エレベーターから降りてくるアデリナ・ソトニコワを見ると、勢いよく彼女に向かって行った。東京の京王プラザホテルのロビーには大勢の人が集まっていた。だいたいは国別対抗戦に出場したフィギュアスケーターで、試合を終えてそれぞれの家へと帰って行くところだった。その日本人男性は、自分のお気に入りを見逃さなかったことを心から喜び、バッグから素早く大きなクマのぬいぐるみを取り出した。何か言いたそうな目をして。ぬいぐるみは、ちょうどソトニコワがフリープログラムを滑っているときのような青い服を着ている。「私の衣装と同じ型で、スパンコールも、そして羽根まで付いてるなんて!」と、プレゼントの細部まで見ながら彼女は驚いた。
しかし、そのクマもすぐに聞き手へと変わる。成田空港まで40分の道のりが控えていた。2013年欧州選手権銀メダリストへの、40分間のインタビューだ。
将来の職業のこと
モスクワに戻ったら、4月20日にЕГЭ(※統一国家試験。高卒資格と大学入試を兼ねたようなもの)の最初の試験があります。全部で3科目パスする必要があります。国語と、数学と、生物学と。これは卒業試験なんです。というのは、1年間で2年分、10年生と11年生の分をやろうと決めたので。来季は五輪シーズンなので、私はオリンピックの準備に完全に集中する必要があります。
その後は、ロシア国立体育大学に入学したいです。その先ですか?将来的には第二専門を修める(?)計画を立てています。でも、すごくコーチになりたいんです。エレーナ・ゲルマノヴナ・ブイアノワ(ヴォドレゾワ)のグループに入ってすぐ、コーチを自分の仕事にしようと決めました。いちばん重要なのは忍耐力。10回ジャンプを跳んでみても何故か同じミスをしてしまうことってあるんですよ。コーチは我慢して、我慢して、そしてついかっとなるわけです。どうして叫ばないでいられるかしら?神経は鉄でできてるわけじゃないもの。でも、私は気まぐれじゃありません。必要なだけ繰り返しジャンプを跳びます。
モチベーションのこと
私には妹がいます。彼女は健康面で深刻な問題を抱えています。いくらかこのことが、スポーツの世界にいる私を変化の局面で支えてくれる要因のひとつになっています。私はとても妹の助けになりたいし、お金をかせがなくちゃいけないんです。
マーシャはもう3回手術を受けています。これにはかなりの費用が必要でした。タチヤナ・アナトリエヴナ・タラソワがとても助けてくださいました。とてもです。スポンサーを、より正確に言うと会社を見つけてきてくださって、その会社が費用を払ってくれて…
私たちは両親に恵まれました。仲の良い家族なんですよ、全員そろうのは休暇の時だけですけど。私はママを信頼し切っていて、とても近しい関係です。そして、ママとパパは辛いんだということも分かっています。
(つづく)
<原文>
http://mn.ru/sports/20130423/344840552.html
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