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<試練は一度きりで終わらない(下)>タチヤナ・タラソワ

9/24 23:20 ルールの部分の訳が怪しかったので、赤字で訂正を入れました。


毎年毎年のルール変更についてはトランコフもかなり怒っていました。
あまり変更しない方が連盟も楽なのではないかと思うのですが…




 ― ロシアのアイスダンス選手たちのトレーニングをよく見に行かれていますね。今シーズンはどんな状況になるでしょうか。また、それを評価するとすれば?

 その話題はあまりこと細かに話したくはありません。試合が始まるのを待ちましょう。

 ― いま誰に大きく注目していますか。

 私はヴェラ・バザロワ/ユーリ・ラリオノフ組のショートプログラムを作り、トレーニングの手助けをし、そしてこの仕事にヤナ・ホフロワを積極的に参加させました。

 ― ヤナがアイスダンス以外の選手と仕事を?

 彼女は何よりもまず、必要とされている場所で仕事をします。アンドラの合宿では、レーナ・ヴォドレゾワ(筆者注:ブイアノワ)のグループの選手たちとの仕事に精を出し、リャザノワ/トカチェンコ組のリフトのことでは、アレクセイ・ゴルシコフを手助けしました。このカップルをシュピルバンドのもとへ送り出すにあたり、私たちは事実上10種類の新しいリフトを用意して持たせたのです。イーゴリがその中から選べるようにね。

 私の方はというと、常にヤナを教えようと努めています。彼女にはコーチを職業にしようという目標があって、この職を理解しているようです。これはとても大切な資質です。自分自身ではなく他の誰かに向かって仕事をする場合、すべての選手がそれを出来るとはまったく限らないのです。


 (中略:コフトゥン選手、新リンクの計画について等)


 ― 1年前、アデリナ・ソトニコワについてお話を伺ったとき、成長期の関係から、彼女の人生において最も困難なシーズンになるかもしれないと仰っていましたね。この選手との仕事は今も続いていますか。

 アデリナのコーチから頼まれたときだけね。彼女にはフリープログラムとエキシビションナンバーをひとつ作りました。

 ― 昨シーズンは「ボレロ」という非常に豪華なプログラムを作られましたが、アデリナはそれを自身のベストではないシーズンに、ほんの短い間しか滑りませんでした。残念に思われませんか。

 彼女はボレロをエキシビションプログラムのひとつとして残しました。衣装を変えたら、さらに良いものになりました。この夏に日本のショーへ行ったとき、観客たちがこのプログラムでみんな立ち上がったのですよ。

 ― ということは、成長期の試練は過ぎ去ったと言えますか。

 試練というものが一度きりで終わることはありません。ひとつ終わるとまた別の試練がやって来ます。でも、アデリナは良いトレーニングを行い、良い成果を出しています。彼女は別人のようになっています。

 ― マオ・アサダもこの夏あなたのところへ来たのですか。

 ええ。彼女にフリープログラムを作りました。その後マオはもう一度やって来ました。というのも、国際スケート連盟の技術委員会が例によって夏にルール変更をしたので、新しい要求を考慮して作り直すはめになったからです。我らが技術委員会は、ほとんどのプログラムが5月に作られるということを何故か深く考えていないので…

 これについては、オッタヴィオ・チンクワンタ(筆者注:ISU会長)に手紙まで書きましたよ。例えどのようなものであっても、オリンピックの1年前にルールに変更を加えるのはあまり正しいとは思わない、とも書きました。ちなみに、イリーナ・ヴィネル(※ロシア新体操連盟会長)とこの話をしたとき、新体操のルール変更は五輪の2年前にすべて凍結されると言っていました。この方がはるかに正しいと思います。

 今回の変更に関する提案は、私の知る限りでは、カナダのコーチが持ち込んだそうです。そのコーチについている生徒の名前は言えませんよ、知りませんから。私は、変更の必要性の説明方法に愕然としたのです。「ジャッジが判断しやすくするため」と言うのですよ。創作的(コレオ)シークエンスと、技術的(ステップ)シークエンス(?)の見分けがそんなに難しいなら、ジャッジは家に居ればいいのです。

 ― 話はアイスダンスに戻りますが、私たちはこんな会話をし初めています。ロシアのダンスカップルの中で、今シーズンあなたが個人的にプログラムを作るとしたら一体どの組だろうかと。

 何らかの予想をするのもはばかられます。代表チームの3番手をめぐっては恐ろしい争いになります。長い間見たことがないようなね。いいえ、3番手争いだけではありませんよ。他もすべて同じです。誰かをひいきしたり、目を掛けたりする必要はありません。必要なのは、選手が自分たちの間で片をつけるのをただ見ていることです。正直なところ、この争いがどう決着するのか想像もつきません。


 (終)
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コメント

No title

ecoさま、こんにちは!
お返事ありがとうございます。
わたし、調子にのって
書き過ぎちゃったなあ・・・と
反省してたんです。
すみませんでした~。
また、遊びにきますね。

No title

みかんさん
ジャパン・オープン、楽しかったですね!!
真央ちゃんがきちんと休養できたと聞いて、とても嬉しいというか、安心しました。休んでいたのにあれだけ仕上がっているということは、休んだからこそあれだけ仕上がったということでしょうか?(ややこしくてスミマセン)
そうそう、3A-3Aとか見たいですよね!ヤグディンが見て面白いと思うようなプログラムを、もっとたくさん見たいですよね!タラソワさんのお手紙が何らかの形で活かされますように…!

No title

ecoさま

こんにちは!いつも翻訳ありがとうございます。
ジャパンオープン、真央ちゃんのプログラムよかったですねえ。
素晴らしい白鳥でした。
さすが、タラママ振付!!!
スケーティングと表現力に格段の進歩を感じました。
ただ、その例のルール変更のせいで、コレオグラフィックシークエンスは
必ずステップシークエンスのあとにもってこなければならないので、ジャンプ構成や振付に自由度が減ってしまったのをかんじます。
真央ちゃんの後半のジャンプが2つだけというのも、得点稼ぎという意味では微妙だし・・・
ただ、後半のジャンプが得点1.1倍になることよりも、ジャンプの完成度でGOEを稼ぐほうが(最大プラス3点)ずっとお得な得点稼ぎになるのでそういう戦略なのかなあ。
佐藤コーチの談話では三か月ほどスケートを離れていたらしいので、その影響もジャンプ構成にあらわれているのかなあ。
でも、その三か月は真央ちゃんの精神面にとって必要な休養だったろうし、今後、どこまで、ジャンプ構成を上げられるかが彼女の課題でしょうねえ。芸術面はまったく問題ないどころか、黒鳥のステップ、いまだかつて見たことのない素晴らしさでした。
しかし、6.0時代を知るものとしては、誰よりも難しいことをするよりも、ルールにそってうまいことやるほうが勝てるってのは、ほんと、面白くない。ルッツ+フリップのシークエンスとか、ゆずくんがよくやる3A+3Aのシークエンスとか、激難しいのに、試合でやったって得点稼げないし。選手が凄いものみせたくってもルールが足かせになってるし、見てるほうも面白くないし。
タラソワさん!がんばって、ルールなんとかしてくれ~~~
切に願います。

No title

YYさん
ルール変更の時期って、今まであまり考えたことがなかったのですが、そういえばISU総会も5月で、プログラム作りもだいたい5月ですよね…
コレオシークエンスとステップシークエンスって、どんな感じになるのでしょうね?ちょうど今ネーベルホルン杯が行われているので、そこで少しわかってくるのでしょうか?見分け不能事件が起こって、タラソワさんの怒りが爆発することのないよう祈っています…

No title

後編の内容も濃いですね~。ルール変更の件、ルールを変更する時期をルールで決めないと(!)
変更の理由も少し情けないのが残念。選手のテクニカルレベルによってはステップだかコレオだか分からないケースが出てくるかもしれませんが、それを理由にしたらISUのA大会に出られる採点基準を今シーズンから高くした理由と矛盾してくるんじゃないかしら・・・(苦笑)
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