<日本冒険記>アリョーナ・レオノワ(上)
さて、久々のエントリーはレオノワ選手の日本滞在記。ノーボスチ通信から配信されている公式ブログです。私も日光へ行ってみたい!
2012年8月16日
R-Sport アリョーナ・レオノワのブログ
世界フィギュア準優勝のアリョーナ・レオノワが日本のショー「ザ・アイス」に参加した。今回のエントリーでは日本のいくつかの街を訪れた際の印象を語る。
ファンの皆さん、そしてサイトの読者の皆さん、こんにちは!
日本で行われた「ザ・アイス」という素晴らしいショーに参加してきました。2週間のあいだ大騒ぎだったんですが、その楽しい道中を詳しくお話する時間がやっと取れました。
前回のエントリーで、ニコライ・アレクサンドロヴィチ・モロゾフコーチと3つのショープログラムを作った話をしたのを覚えていますか?いま秘密を打ち明ける時が来ました。1つ目のエキシビション・ナンバーは、お客さんに喜んでもらえたプログラムですが、シンプルに「DJガール」という名前です。ジャズにヒップホップの要素が入った音楽スタイルです。ヘッドホンをつけて、酔っぱらったような感じで、派手な衣装で滑ります。一見とてもありふれたナンバーです。特別なものは何もなくて、そこに立って、そこでダンスするだけ。でも集中(緊張)度で言うと、ジャンプは2つしか入っていませんが、私にとって実はフリープログラムと同じなんです。全力で、必要な全エモーションで滑るときは特にそう。個人的にはこのプログラムをとても気に入ってます。私の好きな活発なスタイルです。
2つ目のダンスの話に移りましょう。激情のダンス、タンゴです。ずっと前から自分のプログラムにこういうスタイルのものがあればいいのにと思っていました。そこで、ニコライ・アレクサンドロヴィチ・モロゾフを説得したんですが、せめてエキシビションナンバーをこのジャンルで作ってほしいとお願いしたわけです。しかも、ここが面白いんですけど、まずプログラムを作って、その後で音楽を探したんです。結局2つの違うテンポのメロディーからなるバックミュージックを選びました。前半はゆったりしていますが、同時に情熱的で、けっこうドラマチック。私はまるでパートナーと滑っているかのように演じています。エモーションを顔の表情に出しているんです。ちなみに音楽はとても有名な「オブリビオン」で、しかもヴォーカル入り。歌手のミルバがフランス語で歌っています。声と歌い方から彼女が愛について歌っていることは明らかです。どうやら片思いみたい。
プログラムの後半は、同じく有名な「タンゴ・アモーレ」のテーマを演じます。ここで私は言うまでもなく、そういう控えめでロマンチックな女性から、いわば略奪者に変わります。女吸血鬼にね。このプログラム後半のアクセントは、私の膝にあります。文字通りの意味です。というのは、膝を付いたり、膝で滑ったりしないといけない部分がたくさんあるんです。だから怪我をしないようにシリコンのクッションを当てることになりました。
もうひとつ、3つ目のダンスも作りましたが、これについてはお話ししないことにします。日本のショーでも滑っていないし、秘密のままにさせてくださいね。それよりも、私たちが行ったそれぞれの街でいちばん記憶に残っている場面の話をする方がいいと思います。
最初の街は名古屋でした。ここでのいちばんの思い出はリハーサルです。第1回目の練習のとき、ショーのオープニングで私とパートナーを組むのはジェフリー・バトルだと知りました。私たちはサルサを覚えて、そしてジェフと踊ったんですけど、率直に言ってすごく楽しかったです。ショーにはグループナンバーもあって、例えば私たち女子選手はビヨンセが歌うとても美しい「アヴェ・マリア」の曲で滑りました。フィナーレでも全員がグループ分けされました。私はアデリナ・ソトニコワ、ミライ・ナガス、カナコ・ムラカミと一緒に滑りました。映画「バーレスク」の音楽に乗せて盛り上がったんですよ。しかも、とても露出の多い衣装で。網タイツに、フリル付きのショートパンツに、スパンコールのトップス。でも実はこの衣装、とても変わっていると感じたのは私とアデリナだけでした。そんなファッションの人を街なかでたくさん見かけました。日本ではこういう格好をするのは普通だと考えられてるんですね。
それから、1日2回の公演も私にとって新しい経験でした。もちろん、へとへとになりましたけど、それでも私は気に入りました。ポジティブな感情がありあまるぐらいで!名古屋の昼公演ではヘッドホンのナンバーを滑りました。観客の皆さんはとても気に入ってくれた様子でした。でも、夜公演でタンゴを踊ると、お客さんたちがありえないぐらい熱狂してくれたんです。文字どおりキャーキャー言って!日本のファンの拍手や歓声は、母国は別として、他の国とは比べられないぐらいです。そう、主催者側が残りのすべての公演でタンゴを滑るよう依頼してきたんです。
さて、名古屋公演について他にお話しすることといえば…会場に空席がなく、すべてが素晴らしく順調に終わったことです。夜はみんなとカラオケに行きました。私たちは気がすむまで思い切り歌いました。そして翌日、次の公演地である日光へ向かいました。約5時間の道のりです。まず電車に乗って、それからバスで行きました。この街では、旅館の建っている場所をものすごく気に入りました。もう玄関で、ここは何か天国のようなところだと分かって。その考えは間違っていませんでした。本当に驚くべき場所でした。旅館の入り口では着物を着た女性たちが出迎えてくれたし、自分の部屋へ入ったとたん、私は「メモリーズ・オブ・ゲイシャ(SAYURI)」の映画を思い出したんですよ。部屋は日本式に清潔にされていました。何より一番びっくりしたのは、柔らかいマットレスの上に羽ぶとんを掛けて、床に寝るということ。間もなく、私たちが連れてこられたのは温泉旅館なのだと説明されました。そう、源泉も、サウナも、マッサージもあるんです。旅館の従業員の皆さんが文字どおり何から何までお世話をしてくれます。食事にはみんなが着物を着て、木製のスリッパを履いて集まっていました。要するに、すべてがあるべきように(※これぞ日本という感じに?)なっているんです。
(つづく)
<原文>
http://rsport.ru/blog_leonova/20120816/611015000.html
- 関連記事
-
- <ラウンジはポテチとポップコーンでいっぱい>アリョーナ・レオノワ (2012/10/23)
- <日本冒険記>アリョーナ・レオノワ(下) (2012/08/31)
- <日本冒険記>アリョーナ・レオノワ(上) (2012/08/25)
- <最初の小節から楽しんで滑った>アリョーナ・レオノワ (2012/03/30)
- <休暇の前に>アリョーナ・レオノワ (2010/05/21)