<ウルトラCのエレメント>アレクセイ・ウルマノフ
2012年4月4日
ピョートル・マレチン
ウルトラCのエレメント
チェリャビンスクの町ヘ特別な人物がやって来た。その人アレクセイ・ウルマノフは、4回転ジャンプを試合でクリーンに決めた世界初のフィギュアスケート選手だった。後に彼はオリンピックチャンピオンとなった。現在はチェリャビンスク出身のジャン・ブッシュ選手のトレーニングを行うかたわら、ロシア各地でマスタークラスを開き、地方の指導者や選手たちに技術を伝えている。ウルマノフがVIP74.ruの記者の取材に対し、通信簿で好きな数字、エフゲーニー・プルシェンコの頭の中のコンピューター、フィギュアスケートにおける策略について語った。
大好きな「3」
(略:自分の学生時代の話。授業をさぼったりしていたので、通信簿は「3」が多かった)
今では自分が生徒を受け持っています。例えばジャン・ブッシュですが、彼は4月1日に19歳になりました。すでに2シーズン一緒に練習しています。昨年のロシア選手権は3位で、今年は4位でした。彼にとっても私にとっても非常に良い成績です。それまでは17位でも満足していたんですからね。世界ジュニア選手権には2度出場し、昨年は11位という成績でしたが、今年はもう5位になりました。彼は成長していると思います。ジャンはとても良いモチベーションを持っているんです。4回転ジャンプを習得し、すでにプログラムに組み込んでいます。今はそれほど安定していないかもしれませんが、いずれにしても、これは進歩の過程における大きな一歩です。
4回転ジャンプの訓練は、長期にわたるプロセスです。私の場合、フィギュアスケートを始めて恐らくまだ4年目の頃から始まりました。そもそも4回転ジャンプとは何か?それは、ウルトラ級に難しいエレメントです。どんなスポーツでも、その世界に入る人間は、ウルトラCのエレメントへの道程に立ちます。私も一歩ずつ、4回転ジャンプに向かって歩んだのです。
選手はいつだって苦しい
(略:自身の引退、フィギュアスケートの変遷について。多くのロシア人コーチが海外へ流出した)
でも、変わらないこともあります。エフゲーニー・プルシェンコが帰ってきて、ヨーロッパ選手権で優勝しました。しかも、十分すぎるほどの説得力を持って。著名な振付師でプロデューサーのアレクサンドル・マトヴェーエフと話をしたのですが、「エフゲーニーはスーパープロフェッショナルだ」と言っていました。ええ、実際に彼は自分の仕事に関してスーパープロフェッショナルです。彼が試合に出場していなかった間、フィギュアスケートがその場で立ち止まっていたとは言えませんよ。とにかくプルシェンコには豊富な経験があり、それにプラス才能と、プロ意識と、献身と、そして効率良く仕事(練習)をするクレイジーな能力があります。そのすべてが相まって勝利へと導くわけです。ジェーニャの頭の中にはコンピューターがあって、トレーニング中でなくても、手術の最中でも、素早く、軽快に動いているんです。
こういう頭はフィギュアスケートにとても必要です。だってこれは策略の、水面下の戦いの世界ですからね。ただ、フィギュアスケートと製鉄コンビナートと、どちらにより多くの策略があるかは言い難いです。そういうことはあちこちに有るんじゃないでしょうか。フィギュアスケートはスポーツ、プラス芸術ですから、策略の世界だというのは至って正常なことです。そこには主観的なもの、評価に基づくものがたくさんあります。策略やスキャンダルや空騒ぎなしに、どうやって済ませられるというんでしょうか?それは定義上、不可能なんですよ。それに、これはむしろい良いことです。より楽しいものになりますからね(微笑)。そのことで選手が苦しまないのかって?選手はいつだって苦しいんです!でも、コーチも選手と一緒にいますからね。だから、みんな苦しいんです(笑)。
自由時間にホッケー
(略:双子の息子と一緒にホッケーをしている。好きなホッケー・チームについて)
<原文>
http://vip74.ru/sport/element-ultra-si-aleksei-urmanov
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