<フィギュアスケートは新たなレベルに>ミーシン&キャンデロロ
7選手というのが厳密に7人なのかどうかが気になります…
なお、今回はかなり意訳をしております<(__)>
2011年4月29日
ボリス・ホドロフスキー
(前文略)
2011年世界選手権で銅メダリストとなったアルトゥール・ガチンスキー。彼のコーチであるアレクセイ・ミーシンが、男子シングルの戦いについて、本物の教授らしいコメントをしてくれた。
今大会では、高難度のジャンプエレメンツの重要性というコンセプトが優位を占め、私はそのことに非常に満足している。我々は一時、コンクリートの壁に穴を開けることが出来なかった。きれいな身振り手振りの崇拝者たちが潜む壁に。
いま男子シングルスケートは再び男子のレベルになっている
難度の高いジャンプをものにするかどうか。まさにそれによって選手の力のレベルが決まる。ジャンプは習得できることもあれば、できないこともある。モスクワでパトリック・チャンが他の選手より頭ひとつ抜けて見えたのは、決して偶然ではない。彼は4回転ジャンプを完全に身につけ、フリーでは4回転からの連続ジャンプまで跳んだのだ。
チャンピオンと銀メダリスト、あるいは、私の生徒である銅メダリストとの間には非常に大きな(得点)差があるわけだが、それでもこれは相対的な勢力図とみなすべきだろう。彼らのレベルがそれほど違うとは言えない。上位の7選手は、その時どういう滑りをするかによって、大きな大会で同程度にメダルを狙うことができる。
モスクワではタカヒコ・コヅカが光を放った。この青年もまた正しい道を歩んでいる。会場への投げキッスではなく、難度の高いエレメンツで勝負している。コンタクトはスケート靴と氷との間にあるべきで、腕は自然な動きを続けるためのものだ。そうすることでしか進歩は得られない。
オリンピック2大会連続銅メダリスト、フランスのフィリップ・キャンデロロ。メダルのみならず、その氷上で創り出す人物像(イメージ)でも人々の記憶に残る彼が、上位選手たちを彼流に評価した。
スポーツの視点からすると、モスクワの世界選手権は最高に面白いものではなかった。ショートプログラムですでにパトリック・チャンが1位を確保してしまっていた。
それでもフリープログラムの難度を下げなかったこのカナダ人を、正当に評価する必要がある。
彼の4回転ジャンプとトリプルアクセルは素晴らしかった。
私はアルトゥール・ガチンスキーをとても気に入った。彼のことをずっと前から見ているので、彼が今年のヨーロッパ選手権から世界選手権までの間に成し遂げたことに気づかないわけにはいかない。ベルンで自分の問題点を見つけ、(その時受けた)批判の大部分を取り除いたようだ。
また、ロシアの選手たちが氷上で創るイメージもとても気に入った。現役時代の私は、ジャンプやスピンをすることよりもむしろダルタニアンやナポレオンの人物像を描き出すことに興味があった。今の選手たちは別の道を歩んでいる。新しい可能性を探り、実験をしている。
同意して欲しいのだが、フロラン・アモディオのヴォーカル曲を使った演技を見るのは面白かった。かつてはアイスダンサーたちが歌の使用許可を求めて戦った。もうすぐシングル選手も同じ道へ進むと確信している。
いまルールが変更され、それに適応することが不可欠になっている。今回のモスクワでは、技術面でも創造面でも大きな前進があったと思う。
モスクワ大会の運営について特に強調したい。ロシアは非常に短い期間で難しい課題をやり遂げた。モスクワでは、とにかく人々の発するエネルギーが感じられる。それこそが2011年世界選手権で最もポジティブな面だ。多くの日本のファンがいるのが特に嬉しい(?)。2012年のニース世界選手権では、モスクワ以上のものにするのは難しいだろうが、ロシアのフィギュアスケートファン全員をお招きしたいと思っている。
(略:スタニスラフ・モロゾフの談話)
<原文>
http://www.gazeta.ru/sport/2011/04/a_3598517.shtml
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