<マカロワはメダルを狙っていなかった(下)>オレグ・マカロフ
「モスクワへは私とヴィクトル・ペトレンコが一緒に行きます」とマカロフは説明する。「彼女がどんなエレメンツをやるかをそこで決めます。新しいものの練習自体は、世界選手権まで続けていきます。私たちはそこに娘が出場するものとして計画を立てています。練習過程では、3回転ジャンプの中でいちばん得点の高いルッツを入れた3-3の準備をしています」
またマカロフは少し不満ももらした。カナダでは、娘のプログラムの全要素がしかるべき評価を受けたわけではないと言う。「私たちは彼女にレベル3のステップを用意しました。ところが、技術審判団はそれにレベル2の評価しか与えませんでした」と、ロシアチャンピオンの父親は指摘する。「私は彼女の演技を録画で見直し、ジャッジたちが間違えたのだと思いました」
弊紙の取材相手の言葉によれば、技術審判団の資格認定が不十分なために、このようなことが起こりうるという。「私とラリーサは、まだソビエトの時代に“学校(メソッド)”を終了しています。つまり、長い時間をかけてこれらのステップを学んだのです」と、マカロフは説明する。「私たちよりも若い今のスペシャリストの多くは、ロッカーとカウンターがどういうものなのかを本でしか知りません」
「今のフィギュアスケートのルールは、実際のところとても複雑です」
と、かつての名選手は言う。「多くの、また尊敬を集めているスペシャリストでさえ、それぞれに違った解釈をするのは驚くことではないのです。ですから、技術審判団のメンバーに左右されない、同じように受け止められるプログラムを作るのは、私たちコーチにとって非常に大変です」
マカロフは締めくくりに希望を述べた。「グランプリ・ファイナルやヨーロッパ選手権、世界選手権では、“スケート靴”とフィギュアスケートの特質を知り尽くした、間違いをすることのない本物のスペシャリストに審判をしてほしいです」
(了)
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