<そろそろ子どものことも考える(下)>ドムニナ&シャバリン
私は以前から、女性が大柄なダンスカップルが好きなので
そういうカップルはドムシャバが最後になるのかもと思うと
なおさら寂しい気持ちになってなってしまいます。
ダンスかスポーツか、魂か技か…難しい問題ですね…
ドムニナ:バンクーバーは、私たちにとって簡単ではない状況でした。まず第一に、カナダという今回オリンピックチャンピオンを生んだ地だったということ。第二に、私たちはやはり最高の状態では試合に臨めなかったこと。怪我のせいで滑ることができず、文字どおり氷の上で“過ごして”いました。だから銅メダルでも嬉しいです。ヴァーチュー/モイア組は良いカップルで、とても強くて、若くて…新採点システムは、アイスダンスから「順序」という概念を取り払いました。これは正しいことかどうか?各選手にそれぞれの答えがあるでしょう。
コンパルソリー後の記者会見で、「来シーズンからコンパルソリーダンスが廃止されるのは正しいことだと思うか?」という質問を受けました。私とマクシムは「正しくない」と答えました。だって、コンパルソリーダンスは私たちのスケート(お気に入りの題材、得意分野)ですよ!カナダとアメリカのカップルは、それは正しいことだと言っています。コンパルソリーはほとんど誰にも必要ないとかそんなことを。誰でも自分の毛布を被る(好機を利用する)ものです。コンパルソリーがなくなれば(?)、オリジナルダンスとフリーダンスにはものすごい数のエレメンツがあるので、それで技術的な何らかの欠陥を覆い隠すこともできると思います。コンパルソリーを見れば、二人がどんなスケーティングをしているか、どれくらいのテクニックか、スケート靴のあやつり具合はどの程度か等、すべてが一目で分かります。
マクシム:コンパルソリーとオリジナルダンスを融合させるというアイデア自体は面白いと思います。スケーターたちはまず同じステップで円や半円を描き、次にそれぞれが自分たちのことをします(※この一文はあやしいです)。それで来年どうなるかを見てみましょう。
オクサナ:この新採点システムは、そもそもロシアのフィギュアスケートが損をする形で生まれたと感じています。どうすればロシア人と戦えるのか誰にも分からなかったんです。このシステムが無かった頃、私たちの国のカップルは滑りと幅(広がり)とエモーションで、手短に言えばスケーティングで勝負していました。それが今では、結局ほとんど全てがアクロバットやエレメンツということになって(帰着して)います。私の身長で、例えばメリル・デイヴィスと太刀打ちするのはとても難しいことです。
マクシム:以前なら、すべては審判団次第でした。それが今では、難度のレベルを判定するテクニカル・スペシャリストが最重要フィギュア(人物)で、そこではやはり主観が幅を利かせます。システムがフィギュアスケートの発展の一助となっているのは言うまでもありませんが、僕の考えでは、修正必要な不備があります。ダンスにおいて歓迎されるべきはダンスそのものであって、アスレティシズムやアクロバットではないと思います。現在はこれらを重視する傾向がありますが、少し昔に戻る必要があります。ロシアの学校(流派)は常に振付と魂の広がりにおいて強かったのです。我が国の偉大な選手たちをご覧になれば、ほら、そこには魂がありますよ!ところが現在のダンスは、数学的な計算と秒数ということになってしまいました。
オクサナ:私が新しいパートナーと滑ろうとしているような噂がありますが、そういうことではありません。来シーズンは家族のことに専念するつもりです。子どものことも考える時期です。もちろん、バンクーバーの後は不満感が残りました。欲しいものに手が届かなかった人なら誰もがそうであるように。もし復帰できるのなら、喜んでそのチャンスを生かします。今はそういうチャンス(可能性)が見えないだけです。
マクシム:今後の計画については、今のところはっきりしたことは何も言えません。僕は今、国立オジンツォフ大学の国家地方行政学部(?)で学んでいます。自分が気に入ったことをするつもりです。テレビで何かにトライするかもしれませんし、哲学学部に入るかもしれません。もしかすると、フィギュアスケート関係で何か興味深い仕事を勧められるかもしれません。見て(考えて)みましょう。
(終)
<自習メモ>
одея'ло 毛布
тянуть одея'ло на себя =take advantage of somebody
за счёт+生 ~を犠牲にして/~による
изнача'льно (文)そもそもの初めから、本来的に
вред 害、損失
во вред+与 ~の害となって
сво'диться к ~に帰着する、要するに~
конкури'ровать с 競争する/太刀打ちできる、ひけをとらない
брига'да 旅団/作業班
просто'р 広大な空間/自由な活動の場
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