(タラソワのコメント・男子シングル)
世界選手権の総括記事なのですが、長くて難しいので
タラソワのコメント部分を中心に抜粋翻訳します。
細かい間違いは必ずあると思いますので、どうかご了承ください。
今回は男子シングル、次回はアイスダンスについてです。
残念ながら、女子シングル・ペアに関するコメントはありません。
(序文・略)
<ジュベールも天才>
(男子シングルについて・略)
男子の競技終了後、ミックスゾーンでジュベールを見つけたタチヤナ・タラソワは、ロシア語と外国語が入り交じった大きな声でひとり喋っていた。「4回転トゥループよ。分かった?」と彼女は問いただした。
フランス人はショートプログラムでトップに立ち、当然ながら“金”を期待されていたが、この時はすっかり気落ちし、まるで失敗をやらかした生徒のように頭をふって頷いた。
後になってタラソワは、ロシア人ジャーナリストたちに次のように説明した。
「人はそれぞれ自分自身の道を進むべきで、自分に楽をさせてはいけないのです。私はジュベールに、あなたは大きな間違いを犯したと言いました。彼の道は、4回転ジャンプです。彼にはそれができます。そして勝つためには、その4回転に対する高い目標を掲げなくてはいけません。
ジュベールは、その超人的なパワーと能力で会場を一杯にすることができます。その力を発揮すれば、つまり彼が会場をエネルギーで、素晴らしいクオリティーで満たすことができれば、彼はすべてを手に入れるでしょう。このフランス人は、4回転を2本跳ぶときに奮い立つのです。自分を甘やかしてはいけません。これはスポーツ選手ならきっちりと身につけるべきことです」
「ライサチェクはまた別のケースです。彼には大きなジャンプはありません。その代わり、豊かな経験と明晰な頭脳を持っています。あの身長でジャンプを跳ぶのは非常に難しいことです。彼のトレーニングを見れば、いかにジャンプに苦労しているかがわかりますよ。誰にも望まないでしょう(?)。
でもイワン(タラソワはアメリカ人の名前をロシア風に言い換えた―筆者注)は、勝つためには何をすればいいのか分かっていました。
「以前は、2本目の4回転ジャンプの質と出来ばえで勝者が決まっていました。ジュベールも天才です。もし彼が4回転を2本、もしくは3本跳んでいたら、彼は頂点に立てたでしょう。評価を下げるべきではありません。
現在のルールは確かに選手を弱体化させています。難しいエレメントやジャンプを回避することが可能です。今回の選手権で銀メダルを取ったカナダのパトリック・チャンを見てください。私たちは彼が名手で、素晴らしいスケーティング技術を持っていることが分かります。私は彼のトレーニングを見ました。アクセルに苦労していて、転倒して背中を打ったり頭を打ったりしています。でも試合でアクセルを抜いているわけではありません。しかし同時に彼は、自分が持っている質の高さと戦術をよく知っていて、それを利用しているのです。つなぎ、部分(※ピース?トリック?)、そして、とても複雑な“ごちそう”。これが彼のスケートです」
(続)
2009年3月30日
オリガ・エルモリナ
ロサンゼルスより
<原文>
http://www.vremya.ru/2009/52/11/226005.html
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