ミーシン<4回転を追加するか、国旗を引き渡すか(上)>
前回と今回のエントリーで「癖者」と訳したзакидонщикという単語ですが、それ自体はネット版露露辞典にも掲載がなく、元の語の意味からなんとか訳を捻り出しました。善悪両方の意味があるようで、コフトゥンも自分もハニュウもзакидонщикだと仰っているのだと思います。「ヤバイ」とか「頭おかしい」とか「変態」みたいな感じかもしれません(^^;;
2017年4月2日
アレクサンドル・バルミン
ソ連とロシアの国家功労コーチ、アレクセイ・ミーシンが、世界フィギュアスケート選手権大会(於ヘルシンキ)に出場したロシアの選手たちの印象を、『スタジアム』のアレクサンドル・バルミンに語った。
私がスポーツのキャリアを積みはじめたのは1956年からで、コーチとしては1969年からだ。男子フィギュアスケートの技術とエレメンツ遂行の難度において、今年起こったような急激な飛躍は、私の全スポーツ活動を通じてなかった。これはヘーゲル・スパイラルだと理解している。回りに回ってついに量を質へと転化させたのだ(※「量質転化の法則」のこと?)。これは男子シングルスケートにおける革命的飛躍だ。
ソチ五輪のチャンピオンであり、いまや2度の世界チャンピオンにもなった日本のハニュウは、これまでの人生で一度もなかったような滑りをした。私は「癖者」という概念を持っている。これが私の用語になったのはスケートを始めたばかりのときで、私はもう15歳だった。ヘルシンキでは、「癖者」ハニュウが唯一無二の滑りを披露した。他の人間がこれと同じことをいつできるのか、疑問だ。
2番目の日本人、銀メダリストとなったウノは良いスケーターだ。運動能力に恵まれている。フィギュアスケートの理想を体現しているわけではないが、素晴らしい青年だ。彼の「フリップ」、彼のエモーション、彼の独特のジャンプ技術に驚きを覚える。伝統的なものではないが、「舞台のある野外大学」の技術だ。
(つづく)
<原文>
https://stadium.ru/news/02-04-2017-aleksei-mishin-kolyada-i-kovtun-doljni-libo-osvoit-dopolnitelnie-chetvernie-prijki-libo-otdat-flag-v-ruki-drugih
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