<両親は私の決意に賛同してくれた(上)>川口悠子
ロシア国籍を取得した直後のインタビューです。
祐子さん、ロシア語上手すぎ!!
我が国にメダルをもたらしてくれる日本生まれの女性は、流暢なロシア語を話し、そして…ウォッカを拒まない。
ヘルシンキで開催されていたフィギュアスケートのヨーロッパ選手権が閉幕した。ロシアの川口悠子&アレクサンドル・スミルノフ組は、世界最強のアリョーナ・サフチェンコ&ロビン・ショルコヴィー組には及ばなかったものの、銀メダルを獲得した。
『Труд-7』(※『労働-7』の意)の通信員は、とてもカラフルなロシア・スケーター、川口悠子選手から話を聞いた。
フィギュアスケート費は両親が負担してくれた
― 最近、ロシア国籍を取得されましたね。
決断は本当に難しかったです。もし、もう一度日本国籍を取りたい思ったら、今度は10年かかるかもしれません。その間、両親のいる祖国へ行くたびに、日本のビザの手続きをすることになります。
でも私は、ロシア人のサーシャ・スミルノフとともに未来の勝利を得るために、敢えてこの一歩を踏み出します。このことについては、私の両親も応援してくれています。最近まで私のフィギュアスケート費は両親が負担してくれていたんです。それだけ言えば十分でしょう。スポーツで稼げるようになったのは、つい最近のことなんです。
― スポーツ一家なのですか?
私は一人っ子です。両親はスポーツには関わっていません。父は若い頃に体操をやっていましたが、大きな実績を残すには至らず、ビジネスマンになりました。今は金属の卸売業をやっています。父の仕事は、はっきりとは分かりませんが、ロシアとはまったく関わりはないと思います。母は英語の専門家です。
― 教師ですか?
教えていたこともあると思います。でも、私の記憶にある限りでは、母は英語の知識を問うテストの仕事をしていました。日本に住む様々な年齢・学歴・職業の人々が対象でした。
考えごとはロシア語、日本語、英語で
― お母様はあなたの英語のレベルをどのように評価していらっしゃいますか?
それは自分でも客観的に評価することができます。少なくとも、英語はロシア語よりも得意です。英語の方がずっと早く、小さい子どもの頃に勉強し始めましたから。
日本とアメリカを何度も何度も往復して気づいたことがあります。日本人は英語の単語をたくさん知っているんですよ。でも、英語での会話になると難しいんです。私はこの段階はもう克服しています。英語で考えごとをする時もあります。
でも、ときどきロシア語でも考えていることに気づくんですよ。ロシア語で新聞を読むことも、ロシアの映画やテレビ番組を見ることも、問題なくできます。
ただ、文学作品に関しては、日本語で読む方がいいですね。私たちの国には、古典でも、現代でも、興味深い作家がたくさんいます。私の好きな作家の中で、ロシアでよく知られているのは、おそらくムラカミ(※村上春樹のことだと思います)でしょう。なんとかして彼の作品をロシア語でも読んでみましょう。印象を比べるために。
(続く)
2009年1月29日
ゲオルギー・ナスチェンコ
<原文・写真>
http://www.trud.ru/issue/article.php?id=200901290150004
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