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ロシア語自習室

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<なぜトップ選手同士をぶつけるのか>タチヤナ・タラソワ

前回の記事とかなり内容はかぶっているのですが
ウィアーやヤグディンの面白いエピソード等もあったので
こちらも訳してみました(あくまでも素人の訳です!)

さて、ジョニーにロシア語でファンレター書こうかしら(笑)



タチヤナ・タラソワ

なぜトップ選手同士をぶつけるのか



 先日、モスクワでグランプリシリーズ第5戦・ロシア杯が行われた。シーズン始めの総括を、ナショナルチームの主席顧問(?)でソビエト国家功労コーチのタチヤナ・タラソワにお願いした。

 ― タチヤナ・アナトリエヴナ、我がチームの印象は?

 目に見えて進歩していますが、ほころびもあります。高難度のエレメントそのものにではなく、つなぎの部分においてです。問題点は女子シングルによく表れています。でも別の見方をすれば、アリョーナ・レオノワはできること全てを最大限にやりました。このことをこそ追求するべきです。常に能力の極限で滑るのです。

 川口悠子&アレクサンドル・スミルノフのペアは、卓越したコーチであるタマーラ・モスクヴィナとドルチニナのところにいます。この二人のスペシャリストのタッグは、あっと驚くような結果をもたらすでしょう。そうならないはずがありません。タマーラ・ニコラエヴナは、チャンピオンになれない選手を決して弟子に取らないでしょうから。

 しかし、審判のやり方には不明なところもあります。セルゲイ・ヴォロノフがスケート・カナダでなぜあんなに低い点数をつけられたのか、私には分かりません。これについては全く同意できません。彼は4回転トゥループとトリプルアクセルを跳んだのです。プログラムも興味深く、彼はコーチのアレクセイ・ウルマノフとともに正しい道を歩んでいます。それなのに、ジャッジはセリョージャの芸術性をよく見ていないのです。

 ― アイスダンスの試合をどう評価されますか?

 シリーズの同じ大会―中国大会とロシア大会―で、我が国のトップダンスカップル2組(記者注:ドムニナ&シャバリンとホフロワ&ノヴィツキー)がぶつかったのは、非常に愚かで野暮なことだと思います。彼らは別々の大会に振り分けられるべきでした。我が国の連盟はそうすることもできたと思います。ヤナ&セルゲイは北京で不公平な採点をされ、3位になってしまいました。私たちは世界選手権の銅メダリストを、あやうくファイナルから追い出してしまうところだったのですよ!これが誰にとって好都合なのかを見る必要があります。

 ホフロワ&ノヴィツキーのような輝かしいカップルを四散させてしまうほど、私たちは裕福ではありません。一番手のドムニナ&シャバリンの力を過小評価しているわけじゃありませんよ。神様が彼らに健康を与えてくださいますように。でも、私たちは手元にあるものを大切にするべきだと思うのです。今のところ、あまりそうなってはいません。

 ― ウルトラCのエレメンツは徐々に無くなってきています。男子が4回転ジャンプを跳ぶのは珍しくなってきました。これは避けられない傾向なのでしょうか?

 もちろん、若い人たちに4回転ジャンプへのモチベーションを与えるのは困難なことです。怪我がつきもので、時には非常に深刻な怪我になる場合もあるからです。私自身がモチベーションを保つことすら困難です。責任を持って生徒を教えても、生徒はしばらく頑張るふりをして言うことを聞かないかもしれませんから。

 それよりも、悲しい例が実際にたくさんあります。カナダのバトルとスイスのランビエルという2人の世界チャンピオンは、怪我のために競技を去りました。ランビエルの場合、大腿部内転筋の怪我により、3回転半のアクセルジャンプが現実に出来なくなりました。それから、ヤグディンですが、果たして彼は生涯を通じて怪我を負わなかったでしょうか?プルシェンコの身体には、健康な部位はありません。

 もし誰かがこの状況で(?)4回転を跳ぶとしたら、それはとても重要なことです。男子シングルにおける技術の進歩は止められないと思います。私たちの直接的な義務は、若い選手たちに難しいことを教えることです。きちんとした配点が必要なだけです。4回転を跳ぶ選手には、私たちが去年のロシア選手権でやったように、ボーナスポイントを与えれば良いのです。

 ― あなたは職務上、選手たちに助言を与えることがありますよね。彼らのコーチたちはあなたに嫉妬しませんか?

 嫉妬させておけばいいと思っています。私は羨望を恐れません。やましいものは何もありませんから。私はどの選手に対しても二の次にしたり、また特に目を掛けたりもしません。長い間見てきましたが(?)この問題が私を動揺させることはありません。私は打ち砕くためにではなく、打ち立てるために来たのです。それに、大多数のコーチとはうまく妥協点を見つけています。

 ― あなたの外国人の生徒たちが、ロシア語を習得しているというのは本当ですか?

 日本の荒川静香(記者注:2006年五輪チャンピオン)は数語しか知りませんでした。「Привет, пока(こんにちは、さようなら)」ぐらい。アメリカのジョニー・ウィアー(記者注:2008年世界選手権銅メダリスト)はロシア語を流ちょうに話し、私に手紙まで書いてくれました。私のことを「Моя красавица(僕の美しいひと)」と呼んでいましたよ。
 いつかスケート・カナダで失敗したとき、彼はこう言いました。「Не могу понять, что случилось. Куда попала моя нога?(何がおこったのか分からないよ。僕の足はどこへ行っちゃったんだ?)」って。これを聞いたロシアのコメンテーターは、椅子から落ちそうになってこう叫んでいました。「何ということだ!彼はロシア語を知っているのですか?」

 ― 最近、あなたは別の日本人を教えていますね。世界チャンピオンの浅田真央です。彼女との仕事はどうですか?

 他の選手たちと同様、簡単ではありません。特別クラスの選手とトレーニングするときは、大きな責任を伴うものです。真央は体が大きくなって、今も背が伸びているので、彼女と一緒にやるのは2倍大変です。これは、特に女子にとって最も困難な時期です。その時期が私のところに重なりました。(※次の一文はよくわかりません。Ничего, мы легких путей не ищем, хотя быстро этот болезненный процесс не преодолеем.)

 ― 浅田はあなたを頼ってモスクワへやって来ました。あなたは、いつだったか夢見ていましたよね。我が国のコーチたちが出ていくのではなく、外国のフィギュアスケーターたちがこちらへ来るようになる日のことを。そういう時期がやって来たのでしょうか?

 もうずっと前から、国際センターを開くべき時期なのです。そういう施設においては、すべてがひとつのメカニズムとして動く必要があります。しかし残念ながら、ノヴォゴルスクのスポーツのインフラは国際基準からほど遠く、外国人を招くのは恥ずかしいのが現状です。そこでは、例えばエレベータは5年ぐらい動いておらず、私たちは重いスーツケースや、スケート靴、衣装を引きずって階段を上り下りしています。スケートリンクの音楽(※音響設備のこと?)さえありません。このような基礎的なものの欠如は、トップ選手たちがどのような条件でトレーニングするべきかという概念を、内側から破壊しています。言うまでもありませんが、この方面の拡充はフィギュアスケートだけでなく、他のスポーツにおいても進まなくてはなりません。

 ― あなたは3年連続で1チャンネルのアイスショーのジャッジをしていますが、今年はどうでしたか?

 とてもレベルが高かったです。以前のプロジェクトに比べてそれほど著名ではないアーティストが参加しており、私は彼らを決して好きになれないのではないかと思いました。でも、好きになりました!彼らの芸(技術)を尊敬します。同じように、私たちの名高いスケーターたちのことも尊敬します。彼らはまったく奇蹟をやってのけますから。

 私はこのプロジェクトを高く評価しています。そこでは、自分があるべき場所にいると感じます。私は毎回準備をしていきます。生涯忘れられないものが見られるかもしれないと、あなたと同じように私も期待しているのです(※←この一文はあやふやです)。「アイス・エイジ」を国中の人― 『ブレーミャ(時代)』の視聴者数よりも多くの人― が見ているとしたら、また国中の人が私たちと一緒に泣いているとしたら、このショーは娯楽番組というだけではなく、精神の教育番組でもあるのです。

 ― お気に入りの選手はいますか?

 ショーにはいません。審査員長は公平でなくてはいけませんから。競技では、例えば、リョーシャ・ヤグディンが好きです。私のところへやって来たときは「空飛ぶタブレット」と呼ばれていたんですよ。それが出て行くときにはオリンピックチャンピオンになり、最も影響力のある、エレガントで、感動的な俳優になり、そして言葉では言えないぐらいハンサムな青年になっていました。この変化こそを私は評価しています。才能ある人間のみが、自身をまったく別の色に染めることができるのです。
 ソルトレイクシティ五輪の後、彼はペテルブルクでコンサートを開きましたが、その時ほど超満員になった会場を私は見たことがありません。リョーシャを見るために、モスクワからも観客が集まってきました。首都への帰りの列車はファンたちで一杯だったのです。


データ

 タチヤナ・タラソワは、ホッケーの伝説的名コーチ、アナトーリー・ヴラジミロヴィチ・タラソフの娘。
 タラソワの生徒たちは、7つのオリンピック金メダルを獲得している。イリーナ・ロドニナ&アレクサンドル・ザイツェフ(1976,1980)、ナタリヤ・ベステミアノワ&アンドレイ・ブキン(1988)、マリーナ・クリモワ&セルゲイ・ポノマレンコ(1992)、オクサナ・グリシュク&エヴゲニー・プラトフ(1998)、イリヤ・クーリック(1998)、アレクセイ・ヤグディン(2002)。荒川静香は2006年のオリンピックの3ヶ月前に、別のコーチのところへ移っている。
 1996年から2005年まで、タラソワはアメリカで仕事をしていた。
 タラソワの夫は、有名な音楽家ヴラジーミル・クライネフ。ハノーバー音楽院(ドイツ)の教授。
 この女性教師はべっ甲を集めている。彼女のコレクションは600点以上で、金色のものも含まれている。最初のべっ甲は、ドイツから来たコーチ、ヨハン・リンドネルから贈られた。


 


2008年11月28日
ダリヤ・スレブニツカヤ

<原文>
http://russianews.ru/newspaper/19738/19878/



<自習メモ>
стремиться 突進・急進する/意を傾ける、目指す、追求する、切望する←(英stream)

предел 境界/限界、極限
   делить 分割する、区分する←(英deal)
   
возможность 可能性、実現性/(複)能力、資力

зависть (女)羨み、羨望
завидовать 羨む ←за+видеть

между прочим ちなみに、ついでだが、時に、それはそうと、中にも

найти общий язык 妥協点を見出す
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コメント

No title

honey1045さん
いらっしゃいませ、こんばんは^^
私ははじめ、ウィアーはロシア人だと思ってたんです。ロシア(ソ連)チームのユニフォームを着てますし、スケーティングスタイルもロシアチックなので、てっきり…
ロシアの若手選手を見ていて「ここをもうちょっとこうすればウィアーになれるのに~」なんて思うことがあります。
おかしいですよね(笑)

No title

ecoさん、はじめまして。
私はジョニー・ウィアー選手のファンでhoney1045という者です。ブログもやっているので、お時間がある時に覗いていただけたら、幸いです。
http://blogs.yahoo.co.jp/numa3430

ウィアー君のロシア好きとは別に、外国でロシアが一番好きな私…ヴォロノフ君や、タラソワ女史も好きです☆

以前からたまにおじゃましていたのですが、ロシア語のインタビューを翻訳してくださっているので、とても参考になります。これからも、どうぞよろしく☆
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