ズエワ<タカハシの人気について>
カザフスタンのプレカンの内容をきちんとご存じの方がいたら、ぜひ教えてください。元の発言(日本語?英語?)に沿った訳に修正します。
2022年11月24日
エレーナ・ヴァイツェホフスカヤ
(略)
― 先日、アイスダンスの五輪チャンピオン、エフゲニー・プラトフから聞いたのですが、クリストファー・ディーンは技術面でも振付面でも常にジェーン・トービルより遥かに強くて、そのため彼がすべてのプログラムを作っていたそうですね。彼自身がメインの振付師だったことは言うまでもありません。あなたも似た状況です。タカハシは世界的スターで、非常にカリスマ性があり、巧みにスケート靴を操ります。彼をもっと重みのある人物像に仕立てたいという誘惑にかられませんか?
実際にそうしている専門家もいますが、私の場合、自分の手の中にあるのはカップルだというところから出発します。言うまでもなくタカハシは並みの選手ではなく、傑出したシングルスケーターでした。日本ではスター以上のアイドル。ユヅル・ハニュウよりも人気があります。でも、いくらカリスマ選手だからといって、片方だけにダンスを振り付けるのはまったく非論理的です。調和がとれていること、お互いに絶え間なく相互作用を及ぼし合うことが必要です。もちろん、どちらかひとりが非常に華やかな場合は難しいときもあります。プログラムのコンセプトを注意深く選び出し、正しく力点を置かなくては。でも、それは興味深いことです。
― 日本ではタカハシの方が人気があるというのは、真面目なお話ですか?
ええ。奇妙に聞こえるかもしれませんが、ダイスケにはハニュウよりも多くのファンがいます。タカハシは上の世代のスターだということを理解しなくてはいけません。上の世代の方が現役生活が長かったなどの理由で、今の世代よりも華やかだと言えますよね。
― でも、そのハニュウもオリンピックに3回出場しましたが…
ええ、タカハシと同じくね。ただ、ダイスケは最初の人なんです。日本初の五輪メダルを勝ち取り、世界選手権で初めて優勝し、国に大きな栄光をもたらし、日本フィギュアスケート界に絶大な人気を呼びこんだ最初の人です。この文脈でユヅルは、後から追って来た人です。ユヅルの方が強くて、タイトルをたくさん獲っていて、様々な点で素晴らしいかもしれませんが、それでも多くの人々はタカハシの次の人だと認識しています。でも「最初」は常に最初です。
― もうひとつポイントがあると思います。タカハシは完全に地上の人物で、ファンにとって理解できる存在です。それに対してハニュウは、宇宙人です。
おっしゃる通りです。人々は、いわば触れることのできる人物の方に惹かれるものです。ダイスケは飾り気がなく、とてもオープンで社交的ですが、それと同時に慎み深く、日常生活の面ではとても素朴です。しかも彼の才能はフィギュアスケートだけにとどまりません。歌が上手なんです。日本の自分のショーでボーカルナンバーを披露しました。
― スケートとは別に?
そこがポイントで、そうではないんです。滑って、歌うんです。しかもあらかじめ録音したものではありません。どうしてそんなことができるのか私にはわかりません。でも見ていて興味深いです。
― 練習中の会話は英語ですか、ロシア語ですか?
いい質問です。驚くべきことにダイスケはロシア語の方がよくわかります。話すのもロシア語の方が上手です。たしかに、私のところへ来る前もロシア人コーチについていましたからね。カナが理解できるように英語でコメントをはさむ必要があるだけです。
(略)
― ムラモト/タカハシ組の今シーズンの世界選手権での課題は?
まずは代表選手として公式に選出されなくてはいけません。昨年は選ばれませんでした。カナとダイスケの方が基礎点もシーズン中の得点もライバル組より高かったのですが、日本の最終選考会で、ツイズルで重大なミスをしてしまいました。このエレメントはとても配点が高い。だから私たちは今、一歩一歩進んでいます。国内選手権までにプログラムに磨きをかけ、ジャッジたちの推薦を得る必要があります。
― 昨年の世界選手権は16位でした。あなたの感触として、今のムラモト/タカハシ組なら何位ぐらいを狙えますか?
10位ですね、ちょうど。状況次第ではもっと上に行ける可能性があります。日本ではこのカップルに良い成績を期待する声がとても大きいのです。昨年の四大陸選手権で2位になり、すでに日本のアイスダンス競技にとって一種の記録を打ち立てています。もし世界選手権で10位以内に入れば、日本は翌年の大会へダンスカップルを2組派遣できます。競技の発展のためにとても重要なことです。
― 国としては、出場切符を獲れるならどちらのカップルでも大差ないのでは?
そうだとも言えます。でもカナとダイスケは、先ほど言ったとおり、とりわけ応援されています。この期待に応えるにはもう少し時間が必要です。
― タカハシのモチベーションは十分ですか? なんと言っても彼は36歳です。
彼のカザフスタンでの記者会見がとても良かったんですよ。「デニス・テン・メモリアル」で優勝したときです。ダイスケは次のように話しました。まず第一に、自分はスケートが大好きだ。第二に、※それぞれのプログラムは子どもみたいなものだと今やっと分かった。この世界に生まれてきた瞬間から育てて、何かスキルを植えつけて、自分の誇りにして、他の人にも誇りにしてほしいと願う。それは本当に素晴らしいプロセスで、個々に獲ったメダルよりもずっと価値がある。
彼の言ったことは実際に正しいです。勝利というものは華やかですが、ほんの束の間の場面に過ぎません。それに対して、一瞬一瞬を楽しみながら成功へと進む道は、本当に永遠に記憶される「状態」なのです。ここで、いちばん重要なことは何だと思いますか?
― 何ですか?
仕事から得られるこの内なる喜びは、難しいエレメンツと同じように訓練で身につくということです。
(おわり)
※作品って子どもじゃん、自分たちの。その素敵な子どもたち、作品をいっぱい作りたい。色々なことをしていきたい。
↑ユルタ様のサイト(https://abmikan.wixsite.com/yurt/post/deniscup2022_interview2)よりお借りしました。高橋選手の実際のコメントを書き起こしてくださっていて、この部分が該当しそうです。ユルタ様ありがとうございます!
<原文>
https://russian.rt.com/sport/article/1077374-zueva-takahasi-latina-pikasso
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