トゥクタミシェワ<命令には従わない>
2022年11月25日
アリサ・フラバン
トゥクタミシェワがジャンプと新シーズンについて語る
(前文略)
リンク外の生活、モチベーションの追求、コーチからの学びについて、トゥクタミシェワが「論拠と真実」のインタビューに答える。
― あなたは常に年長のスケーターとして語られます。成績を伝える記事はすべて、いずれにしても年齢や何シーズン目という数に言及しています。イライラしませんか?
ポジティブにもネガティブにもなりません。語られることは、語られること。ええ、実際にほかの女子選手よりもずっと年上です。そのことは完全に冷静に落ち着いて受け止めています。
― あなたはいま最高のコンディションにあると、多くの人が言っています。モチベーションを下げずにコンディションを維持する方法は?
最高のコンディションかどうかわかりませんが…(笑)。この数年間、この状態を維持するように努めています。方法ですか? 練習スケジュールから外れないことと、練習体制と睡眠の体制を守ることです。ちょっと外れると、ちょっと大変なことになります。常に練習の流れに乗っていればコンディションを維持しやすくなります。
― 目の前に何か具体的な目標はありますか?
わかりませんが…とにかくスケートが面白いです! いま自分の中にパワーと熱中があるのを感じています。熱中こそがモチベーションですね、きっと。興味がないとスケートをするのが難しくなってしまうので。自分はもっと何ができるか、もっとどんな演技ができるか、もっとどんなプログラムを見せられるか…
― 新シーズンは、これまでのシーズンとは違います。ロシア国内のみの大会の雰囲気は、国際大会のそれとは比べられないと発言していましたね。「空白」を埋めるインスピレーションをどこで探すのですか?
インスピレーションは多分、練習プロセスの中で見つけています。だって面白いですから。私たちはプログラム用の音楽をチョイスしますが、それもインスピレーションです。少なくともシーズン初めにワクワクしているときはそうです。自分の得意なことをやり続けるだけです。
― あなたのSNSには、国外のファンから熱狂的なコメントがたくさん寄せられていました。今年は減りましたか?
外国の人が良いコメントをくれることはあります。それが私のファンかどうかはわかりません。
― ここ何年もの間、女子の4回転ジャンプの話題で持ち切りです。しかも、一般人はその難しさをただ想像するしかありません。あなたはこのジャンプについてどう思いますか? 成功のカギになるのは身体の方ですか、それとも頭の方ですか?
いま4回転トウループの走り込みならぬ「跳び込み」をして、このジャンプを多少なりとも安定させようとしています。もちろん難しいです。やさしいエレメントではないので。カギですか? 頭と身体の調子の総和ということになりますが、私の場合は頭の方が大きいですね、間違いなく。メンタル面でジャンプへの準備ができていれば、毎日ずっと「練習し込む」ことができます。この壁がいま徐々に克服されつつあるのが嬉しいです。準備ができていないときに自分に何かを強いるのはとても難しいので。私は命令に従って何かをするような人間じゃないんです。
― チェスのアナトリー・カルポフ(※チェスの元世界チャンピオン)は、「チェスで最も重要なことは、プレーしたゲームをすぐに忘れることだ」と言いました。フィギュアスケートでも、この「忘れる」ことは重要ですか? また、どうやって忘れるのですか?
悪い演技は100パーセント思い出さないように、できれば見ないようにするべきです。すべてビジュアル的に取り込まれてしまうので。そのことは考えない方がいいですね…それが難しいのですが。いつも通りの普通の演技なら見てもいいし、繰り返し見ても大丈夫です。でも、私はかなり労働者的なやり方をしています。確実に特定の演技を忘れなくてはいけないとか、すべてのミスを見分けなくてはいけないとか、私にはそういうものはありません。済んだ演技は、済んだ演技。自分の演技を1回以上見直すことは基本的にありません。頭のスイッチを切りにくいというよりも、単に自分がそれを見たくないだけ。私の場合はそうです。
― リーザ・トゥクタミシェワは現在、リンクの外ではどんな生活をしていますか?
何か面白いものを見るのが好きです。ユーチューブの教育(?)動画とか。自分が今後どうすればいいかを理解しようとしています。そのために何かしら新しい一歩を踏み出しています。今はフィギュアスケートにどっぷり浸かるというわけにはいかない、そんなシーズン。それに今シーズンはショーが多いので、ショーと試合を両立させようとしています。プロジェクトがあって、撮影があって…スケジュールは今、とてもタイトです。
― シェルバコワ、シニツィナ、カツァラポフなど、テレビに打ち込んでいる仲間もいますね。ポスト五輪のシーズン、スクリーンの仕事に挑戦してみたいと思いませんでしたか?
そうですね、フィギュアスケートや競技をするパワーあるいはモチベーションが尽きたら、そうする時間ができると思います。今はまだスケートと競技が第一だし、重要ですから。
― 誰かと「アイス・エイジ」でペアを組めそうですか? それとも、ペア・スケ―ティングには明らかなデメリットがあると思いますか?
少なくとも試してみると思います。ペアで滑るのは怖いかと聞かれれば、たぶん怖いです。でも恐怖を克服しないと! たとえ最終的に何も結果が出なくても…少なくとも心はすっきりするでしょう。怖気づいたんじゃない、努力はしたって。
― アレクセイ・ニコラエヴィチ・ミーシンと離れることなくずっとタッグを組んでいますね。強固な協力関係の秘訣は?
理解し合うこと、尊敬し合うこと。この2つがいちばん重要なルールです。私たちの間にはこれがあって、そのおかげでこんなに強固な関係ができあがっています。
― アレクセイ・ニコラエヴィチの教えで最も重要なのは?
人生を喜ぶこと、かもしれません…というのは、アレクセイ・ニコラエヴィチがとても「伝染的な」やり方でそれを見せてくれるからです! 先生が上機嫌で練習に来ると、それが充満して、喜びが伝わってきます。私も同じように上機嫌で先生の年齢まで生きて、同じように人生を喜びたいですね!(笑) それから、いつだったか「すべては過ぎ去る、これもまた過ぎ去る」と仰ったことがありました。私はこの言葉がとても気に入りました。この言葉には、どこかで立ち止まるなどということをさせない力があるみたいで。それで何かを信じ続けると、希望が現れるんです。
― アレクサンドル・ゴルシコフが亡くなりました。イリーナ・ロドニナによると「フィギュアスケート界の人間は一筋縄ではいかないが、彼はその全員とうまくやる術を心得て」いました。本当ですか?
ええ、本当にその通りです。とても感じがよくて、とても丁寧で! いつでも気持ちよくお話ができました。とても敏感に反応してくれて、手助けしてくれました。成功したときはいつも褒めてくれるし、失敗したときは励ましの言葉をかけてくれました。本当に選手ひとりひとりを心配し、全員がうまくいくように願っていて…大きな心と大きな魂を持った人でした。アレクサンドル・ゲオルギエヴィチ(・ゴルシコフ)会長の時代に滑れたことを、とてもうれしく思います。
<原文>
https://aif.ru/sport/person/po_prikazu_vypolnyat_ne_budu_tuktamysheva_o_pryzhkah_i_novom_sezone
<自習メモ>
по-рабочему:так, как характерно для рабочих
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